menu

創薬セミナー委員長からのメッセージ

創薬セミナー委員長からのメッセージ

創薬セミナー委員長からのメッセージ

 昨年、3年ぶりの現地開催となった創薬セミナーは、コロナ禍以前と変わらない盛況ぶりで大きく盛り上がりました。本年度の創薬セミナーは、これまで主な開催地であった山梨県大泉町(八ヶ岳)から場所を移し、長野市松代町にて開催の予定です。八ヶ岳にあるホテルの改修に伴う会場変更となりますが、開催地は変わっても「聞いて、話して、楽しんで」をモットーとする創薬セミナーの精神はそのままに活気あふれるセミナーを開催する予定です。日程は7月10日から12日の3日間となります。製薬企業、バイオベンチャー、アカデミアから多くの皆様方のご参加を心待ちにしております。

 今年の創薬セミナーでは、創薬の各分野を代表する個性溢れる素晴らしい講演者をお招きしてセミナーを開催します。創薬セミナーのハイライトである社長講演では、エーザイ株式会社の内藤 晴夫代表執行役CEOに「創薬精神について」というタイトルでご講演いただきます。ニューロロジー領域とオンコロジー領域に立脚したサイエンスとデータに基づく創薬ソリューションを創出するエーザイ株式会社を牽引されてきた内藤先生から力強いトップメッセージを拝聴できる事と思います。また、今年の創薬セミナーでは特別講演として、厚生労働省医政局より須賀 幹郎氏をお招きして「創薬力強化に向けた政府の取り組みについて」というタイトルでご講演いただきます。その他に製薬企業、ベンチャーカンパニー等からの招待講演として「中外製薬の低中分子創薬研究」 (中外製薬株式会社 : 白石 拓也先生)、「がん遺伝子変異KRAS(G12D)に対する新規標的タンパク分解誘導剤ASP3082の創製」(アステラス製薬株式会社:吉成 友博先生)、「イクトスが切り拓くAI創薬の未来 」(イクトス株式会社:藤 秀義先生)、「システイノミクス創薬基盤を活用した共有結合型線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬フチバチニブの創製」(大鵬薬品工業株式会社:伊藤 智 先生)、「RNA構造ライブラリvs化合物ライブラリの全組み合わせ相互作用解析で切り拓くRNA標的創薬の世界」(株式会社イクスフォレストセラピューティクス:樫田 俊一先生)が予定されています。アカデミアからは「創薬・生命科学研究を加速するラジカル反応技術」(京都大学 化学研究所 : 大宮 寛久先生),「脳疾患創薬における画像バイオマーカーの意義と産学連携の研究開発」(量子医科学研究所:樋口 真人先生)、「エクソソーム創薬への期待と実情」(東京医科大学 医学総合研究所:吉岡 祐亮先生)の講演を行っていただきます。

 恒例の自由討論会については、これまでどおり少人数でのディスカッショングループを構成して開催します。参加する皆様には、異なる立場や企業の枠を超えて10名程度のメンバーで自由に意見交換をしていただきます。各グループで討論する議題は、創薬ターゲットとテーマ発掘、次世代低分子創薬技術、ニューモダリティ、AI・インシリコ創薬技術など様々です。グループでの議論を通じて、それぞれの独自の取り組みや直面している問題、将来の展望などを話し合うことで新しい視点や解決策を得るとともに、将来につながる新しい知己を得ていただければと思います.また、本年度の創薬セミナーでは、参加者のための新たな企画として創薬相談会を開催します。本相談会は、「現在進めている創薬研究の課題解決や今後の方針について、企業研究者や薬事関係者から意見をもらいたい」など、創薬活動に関わる様々な話題について個別相談を行い、創薬研究者が抱える課題について具体的な解決策や指針を得ることを目的としています。相談会には、大学研究者、企業研究者、大学院生いずれも参加可能です。

 本年度も創薬セミナーは、最先端の創薬知識を発信し、創薬に携わる皆様に充実した交流の機会を提供させていただきます。本セミナーの取り組みが、さらなる進化を続ける創薬に柔軟に対応し、挑戦者であり続ける皆様の一助となれば幸いです。創薬セミナー委員会一同より、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

創薬セミナー委員長 王子田 彰夫 (九州大学大学院薬学研究院)