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2024年度学会賞受賞者のお知らせ
2023/11/30
2024年度学会賞の授賞は、2023年11月17日開催の理事会において、次のとおり決定されましたので、お知らせします。授賞式
日時:2024年3月28日(木)13:00~15:30予定場所:パシフィコ横浜 会議センター 501
薬学会賞受賞者(応募12件、授賞4件)
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青木 淳賢 | 玉井 郁巳 |
(東京大学大学院薬学系研究科 教授) | (金沢大学医薬保健研究域薬学系 教授) |
「リゾリン脂質の代謝・作用に関する薬学的研究」 | 「輸送体を基盤とした薬物・生理的物質の動態と作用に関する研究」 |
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林 良雄 | 原 英彰 |
(東京薬科大学生命科学部 教授) | (岐阜薬科大学 学長) |
「ペプチド化学を基盤とする難治性疾患克服を目指した創薬化学研究」 | 「病態形成に関わる生体機能因子の探索並びに機構の解析に基づく医薬品開発研究」 |
学術貢献賞受賞者(応募5件、授賞3件)
第1A部門 有機化学 第1B部門 生薬・天然物化学、医薬品化学第2部門 分析化学、物理化学、アイソトープ・放射線科学
第3部門 生物化学、微生物科学
第4A部門 薬剤学・製剤学、医療薬学 第4B部門 衛生化学、薬理学
第1A部門 | 第1B部門 |
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須貝 威 | 橘髙 敦史 |
(慶應義塾大学薬学部 教授) | (帝京大学薬学部 教授) |
「医薬品合成における官能基・位置・立体選択的反応の開拓」 | 「多様な活性をもつビタミンD誘導体の開発研究」 |
Chem. Pharm. Bull. vol. 73 No. 1 pp. 1-17 |
第2部門 |
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小林 典裕 | |
(神戸薬科大学 特別教授) | |
「高性能抗体の新規創出と生物活性物質の高感度精密計測への展開」 |
学術振興賞受賞者(応募9件、授賞3件)
第1A部門 有機化学 第1B部門 生薬・天然物化学、医薬品化学第2部門 分析化学、物理化学、アイソトープ・放射線科学
第3部門 生物化学、微生物科学
第4A部門 薬剤学・製剤学、医療薬学 第4B部門 衛生化学、薬理学
第1A部門 | 第4A部門 |
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石川 勇人 | 米澤 淳 |
(千葉大学大学院薬学研究院 教授) | (慶應義塾大学薬学部 教授) |
「バイオインスパイアード反応と有機触媒反応を基軸とした多環性天然物の高効率的全合成」 | 「新規リボフラビントランスポータRFVTの同定と生理機能解析」 |
Chem. Pharm. Bull. vol. 73 No. 2 pp. 67-77 |
第4B部門 |
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土居 雅夫 | |
(京都大学大学院薬学研究科 教授) | |
「加齢性疾患・生活習慣病治療に向けた時間生物学に基づく時間医薬科学の展開」 |
奨励賞受賞者(応募17件、授賞8件)
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今井 俊吾 | 牛丸 理一郎 |
(慶應義塾大学薬学部 専任講師) | (東京大学大学院薬学系研究科 助教) |
「機械学習と医療ビッグデータを駆使したデータ駆動型臨床薬学研究の実践」 | 「天然物生合成酵素の新規触媒機能の探索と反応機構解析」 |
Biol. Pharm. Bull. vol. 47 No. 10 pp. 1594-1599 | Chem. Pharm. Bull. vol. 72 No. 3 pp. 241-247 |
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小島 慧一 | 佐藤 秀行 |
(岡山大学学術研究院医歯薬学域 助教) | (静岡県立大学薬学部 准教授) |
「光受容タンパク質ロドプシンの分光解析と光遺伝学ツール開発」 | 「機能性微粒子設計による薬物動態制御を基盤とした薬剤科学的研究」 |
Biol. Pharm. Bull. vol. 47 No. 10 pp. 1600-1609 |
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鳥海 尚之 | 南條 毅 |
(東京大学大学院薬学系研究科 助教) | (京都大学大学院薬学研究科 助教) |
「光を利活用するための分子技術の開発と化学薬学研究」 | 「化学選択的変換を基盤とした非天然型ペプチドの迅速合成法の開発」 |
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前田 仁志 | 水野 忠快 |
(熊本大学大学院生命科学研究部 助教) | (東京大学大学院薬学系研究科 助教) |
「生体模倣型アルブミンを基軸とした革新的DDSの開発と難治性疾患治療への応用」 | 「薬物の作用の包括的言語化に向けた研究基盤の構築」 |
Biol. Pharm. Bull. vol. 48 No. 1 pp. 1-5 |
女性薬学研究者奨励賞受賞者(応募3件、授賞2件)
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髙橋 葉子 | 古堅 彩子 |
(東京薬科大学 講師) | (北海道大学大学院薬学研究院 助教) |
「遺伝子・核酸搭載型ナノバブルの開発と超音波診断・治療への応用」 | 「定量・毒性解析を基盤とした、妊娠・授乳期の薬物治療における安全性評価」 |
創薬科学賞受賞者(応募5件、授賞2件)
「睡眠障害治療薬を志向したオレキシン1/2受容体新規デュアルアンタゴニスト レンボレキサントの創製」![]() |
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寺内 太朗 | 上野 孝哉 | 朝倉 省二 | 久保田直樹 | ボイクマン カーステン |
上野 孝哉(エーザイ株式会社 DHBL PPDファンクションBAユニット グローバル薬物動態研究部 主幹研究員)
朝倉 省二(エーザイ株式会社 DHBL PPDファンクション BAユニット グローバル安全性研究部 部長)
久保田直樹(エーザイ株式会社 DHBL CEG 日本・アジア臨床開発部 ディレクター)
ボイクマン カーステン(ツインピークスマウンテンブルーイング合同会社 社長)
受賞理由
不眠症の主原因が覚醒経路の夜間過剰活性化であることを踏まえ、従来薬とは異なり、合理的な治療アプローチと考えられる覚醒系の抑制に狙いを定めた点が成功の起点となっている。化合物においては、合理的判断により3置換シクロプロパンを基本とするユニーク構造とした点に高い独創性がある。また、薬物動態や安全性の多くの課題を克服し、バランスの取れたプロファイルの化合物に最適化した点も評価が高い。前臨床から臨床試験において、従来薬とは一線を画す優れた薬効および安全性プロファイルを示し、国内外において多くの不眠症患者のアンメットメディカルニーズを充足しつつある。以上のことから創薬科学賞の受賞に十分値するものと判断された。ファルマシア 60巻 5号 429-433頁
「抗FGF23抗体ブロスマブ(burosumab)の研究開発」
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山崎 雄司 | 福本 誠二 | 山下 武美 | 島田 孝志 | 浦川 到 |
福本 誠二(たまき青空病院 名誉院長)
山下 武美(協和キリン株式会社 取締役専務執行役員)
島田 孝志(協和キリン株式会社 研究開発本部 研究ユニット 研究マネジメントオフィス オフィス長)
浦川 到 (協和キリン株式会社 研究開発本部 東京リサーチパーク ITインフラグループ マネジャー)
受賞理由
産学協同研究による低リン血症性くる病・骨軟化症の病因となるFGF23の同定や、受容体機構を含むその生体内での作用解明や測定法開発に始まり、疾患概念の確立、さらにはFGF23に対する強力な中和活性を有する完全ヒト型抗体の取得、そして臨床試験を進めることで根本治療薬の創製に成功した。これら基礎研究に始まり医薬品創出に至る長年の研究開発は新規性や独創性、革新性に優れるとともに、既存治療法と比較して患者のQOLを大きく改善したという点で医療現場へのインパクトも絶大である。以上のことから創薬科学賞の受賞に十分値するものと判断された。ファルマシア 60巻 6号 553-558頁