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科学技術分野の文部科学大臣表彰
2023/04/10
本学会推薦の文部科学省「令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」に1名が受賞しました。
2023年4月7日、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に授与される科学技術分野の文部科学大臣表彰に、本学会から推薦した科学技術賞1名が受賞しました。
若手科学者賞
対象:萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者
対象:萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者
「革新的な標的分子吸着モダリティ開発による疾患治療研究」
小出 裕之(静岡県立大学薬学部 准教授)
業績:生体高分子間の相互作用を阻害する材料開発は、様々な疾患の治療薬開発に直結する。そこで現在、抗体のように標的分子に強く結合してその機能を中和する合成材料の開発が盛んに行われている。しかし、生体内で標的分子を吸着して、その機能を中和可能な合成材料に関する報告は殆ど無い。 小出氏は、自然界で高度な分子認識を達成している抗体が、標的分子を多点結合で認識している事を摸倣し、標的ペプチドやタンパク質と強く相互作用する機能性ナノ粒子を開発した。開発したナノ粒子は、生きている動物の体内において高い機能を発揮し、急性毒、がん、脳梗塞、敗血症などの難治性疾患治療に成功した。 本研究成果は、抗体に代わる次世代の標的分子吸着剤開発につながると期待される。
小出 裕之(静岡県立大学薬学部 准教授)
主要論文:「がん治療に向けたナノ粒子開発に関する研究」Nature Chemistry誌、vol.9、p715-722、2017年発表
主要論文:「敗血症治療を可能とするナノ粒子開発に関する研究」Nature Communications誌、vol12、p5552、2021年発表
主要論文:「敗血症治療を可能とするナノ粒子開発に関する研究」Nature Communications誌、vol12、p5552、2021年発表