本州、九州、四国に自生する多年生草本で、夏の暑い時期に山地で、日当たりのいい斜面にひときわ高く白い傘状の花を付けるためよく目立ちます。まっすぐ立った茎は2 m近くになりますが中は空洞です。葉は3回羽状複葉で、複数散形花序とともにセリ科らしい特徴を持っています。太い根には精油成分であるアンゲリコンやウンベリフェロンなどのクマリン誘導体が多く含まれていて、セロリのようなセリ科独特の香りがあります。
中国ではこの根を古くから「独活(どくかつ)」として用いているのですが(中華人民共和国薬典2020ではAngelica pubescens Maxim. f. biserrata Shan et Yuanを独活としています)、日本薬局方ではウコギ科植物であるウド(Aralia cordata Thunb.)の根茎を「ドクカツ」としています。一方、シシウドの根は日本薬局方外生薬規格2022で「トウドクカツ(唐独活)」として収載されていて、OTC医薬品の独活寄生丸などに配合されています。民間では「猪独活」とも呼ばれ、浴湯料として冷え性や神経痛の改善に用いたり、発汗や解熱、鎮痛に服用して用いることがあるようです。
現在でも、中国と日本では違う植物を「独活」の基原としていますが、これら以外に、さまざまなAngelica属植物やハナウドの仲間(Heracleum属)なども、中国では非正規の「独活」として流通しているようです。独活は『神農本草経』上品に収載されていますが、『神農本草経集注』を編纂した陶弘景は、「ただ1本の茎がまっすぐに伸び、風のために揺るがないので『独活』と呼ぶ」と言っています。山の中でひときわ目立つ高い植物で傘状の白い花を付け、根に香りのある植物を古くはすべて「独活」と認識していたのかも知れません。
中国ではこの根を古くから「独活(どくかつ)」として用いているのですが(中華人民共和国薬典2020ではAngelica pubescens Maxim. f. biserrata Shan et Yuanを独活としています)、日本薬局方ではウコギ科植物であるウド(Aralia cordata Thunb.)の根茎を「ドクカツ」としています。一方、シシウドの根は日本薬局方外生薬規格2022で「トウドクカツ(唐独活)」として収載されていて、OTC医薬品の独活寄生丸などに配合されています。民間では「猪独活」とも呼ばれ、浴湯料として冷え性や神経痛の改善に用いたり、発汗や解熱、鎮痛に服用して用いることがあるようです。
現在でも、中国と日本では違う植物を「独活」の基原としていますが、これら以外に、さまざまなAngelica属植物やハナウドの仲間(Heracleum属)なども、中国では非正規の「独活」として流通しているようです。独活は『神農本草経』上品に収載されていますが、『神農本草経集注』を編纂した陶弘景は、「ただ1本の茎がまっすぐに伸び、風のために揺るがないので『独活』と呼ぶ」と言っています。山の中でひときわ目立つ高い植物で傘状の白い花を付け、根に香りのある植物を古くはすべて「独活」と認識していたのかも知れません。
(川添和義、小池佑果、伊藤ほのか、磯田 進)
注)体質によってはアレルギーなどを起こす場合があります。利用により,万一,体調が悪くなられた場合は医師にご相談下さい。