ネナシカズラは、日本各地の山野に生え、他の植物に寄生する1年草です。全体に葉緑素はなく、茎は初め地上から生えますが、他の植物に寄生すると根はなくなり、つるから寄生根を出して他の植物から養分や水を得ます。花は夏から秋、花冠は長さ3.5〜4 mmで釣鐘型をしており、白色の花を穂状に多数咲かせます。和名の「根無し葛(ねなしかずら)」は寄生している状態では根が見えないことから呼ばれるようになったそうです。
生薬の菟糸子(トシシ)は、ネナシカズラの成熟した種子を乾燥したものです。用途は強精や強壮薬で、茯菟丸(ブクトガン)という漢方に配合されています。また、民間では、疲労や精力減退時に他の生薬と混合した薬酒が飲まれています。一方、全草は解熱、利尿、解毒などの効果があり薬用として用いられています。朝鮮半島と中国では、マメダオシC. australis R. BrやハマネナシカズラC. chinensis Lam.の種子もトシシとして使われています。
ネナシカズラにとって他の植物に寄生するために、巻き付くことは重要なポイントです。ネナシカズラは、太陽から届く青色の光によって回旋の幅を大きくし、宿主に強固に巻き付くことがわかっています。葉緑素がないので光合成をしませんが、太陽光は必要なようです。
また、ネナシカズラは寄生した植物を枯らす為、多くの作物に被害を及ぼしますが、寄生しない植物もあります。ネナシカズラが寄生すると、フラボン類の生合成が盛んに起きていることが近年報告されています。なぜ、そのようなことが起きているかは謎ですが、ネナシカズラにも好みがあるようですね。
生薬の菟糸子(トシシ)は、ネナシカズラの成熟した種子を乾燥したものです。用途は強精や強壮薬で、茯菟丸(ブクトガン)という漢方に配合されています。また、民間では、疲労や精力減退時に他の生薬と混合した薬酒が飲まれています。一方、全草は解熱、利尿、解毒などの効果があり薬用として用いられています。朝鮮半島と中国では、マメダオシC. australis R. BrやハマネナシカズラC. chinensis Lam.の種子もトシシとして使われています。
ネナシカズラにとって他の植物に寄生するために、巻き付くことは重要なポイントです。ネナシカズラは、太陽から届く青色の光によって回旋の幅を大きくし、宿主に強固に巻き付くことがわかっています。葉緑素がないので光合成をしませんが、太陽光は必要なようです。
また、ネナシカズラは寄生した植物を枯らす為、多くの作物に被害を及ぼしますが、寄生しない植物もあります。ネナシカズラが寄生すると、フラボン類の生合成が盛んに起きていることが近年報告されています。なぜ、そのようなことが起きているかは謎ですが、ネナシカズラにも好みがあるようですね。
注)薬用としての利用は専門的な知識を必要としますので、必ず専門家の指導の下、利用して下さい。利用により、万一、体調が悪くなられた場合は医師にご相談下さい。
(小池佑果、川添和義、磯田 進)