本学会より推薦の山田科学振興財団「2026年度研究援助」採択者について
2026/09/03
本学会推薦の山田科学振興財団「2026年度研究援助」に1名が採択されました。
2026年8月25日、自然科学の基礎研究を助成振興し、我が国の科学研究の向上発展と人類の福祉に寄与することを目的とした、独創的な基礎研究が自然科学の幅広い分野で遂行されることと、各研究分野相互の対話・交流が促進されている、基礎研究(物理、化学、生物・医学)で萌芽的・独創的な研究を対象に採択される、山田科学振興財団2026年度研究援助に、本学会から推薦した1名が受賞しました。

「多核金属酵素によるヌクレオシド転移反応の機能解析と応用」
牛丸 理一郎 (九州大学高等研究院・准教授)
ヌクレオシドとアミノ酸は極めて重要な生体分子群であり互いに連結することで、様々な生物活性を発現しうる。天然物シネフンギンはヌクレオシド骨格が炭素-炭素結合を介してオルニチンによって修飾されており強力な抗生物質活性や抗ウイルス活性を示す。同様の結合形式を持つ天然物は一切報告されておらず、シネフンギン生合成における炭素-炭素結合形成については大部分が謎であった。最近申請者らは、ビタミンB12結合型鉄硫黄クラスタータンパク質SfgBがヌクレオシド部分とL-オルニチンとの炭素-炭素結合形成反応を触媒することを見出した。活性中心にコバルトと鉄を含むこの多核金属酵素はアミノ酸側鎖の不活性炭素を活性化し、直接ヌクレオシド部分による修飾を触媒する極めて新規性の高い酵素であり、より詳細な構造機能解明が待たれる。本研究ではこの多核金属酵素反応の反応機構を解明することを目的とする。さらには酵素反応機構とタンパク質構造に基づき炭素-炭素結合形成酵素を合理的に改変することで様々な側鎖をヌクレオシドに導入し、構造的多様性に富む非天然型ヌクレオチドの効率的生産を可能にする生体触媒を創出する。
【山田科学振興財団】
2026年度研究援助 採択者