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2025年度学会賞受賞者のお知らせ
2024/12/02
2025年度学会賞の授賞は、2024年11月15日開催の理事会において、次のとおり決定されましたので、お知らせします。授賞式
日時:2025年3月26日(木)13:00~15:30予定場所:福岡国際会議場 会議室501
薬学会賞受賞者(応募8件、授賞4件)
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池谷 裕二 | 掛谷 秀昭 |
(東京大学大学院薬学系研究科 教授) | (京都大学大学院薬学研究科 教授) |
「脳回路の機能拡張に関する探索的研究」 | 「創薬を志向した天然物ケミカルバイオロジー研究」 |
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内藤 幹彦 | 渡辺 賢二 |
(東京大学大学院薬学系研究科 特任教授) | (静岡県立大学薬学部 教授) |
「Targeted Protein Degradation技術とSNIPER化合物の開発」 | 「有機反応論に基づく生合成酵素の理解と天然物化学の新展開」 |
学術貢献賞受賞者(応募3件、授賞1件)
第1A部門 有機化学 第1B部門 生薬・天然物化学、医薬品化学第2部門 分析化学、物理化学、アイソトープ・放射線科学
第3部門 生物化学、微生物科学
第4A部門 薬剤学・製剤学、医療薬学 第4B部門 衛生化学、薬理学
第3部門 |
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板部 洋之 |
(昭和大学大学院薬学研究科 教授) |
「動脈硬化発症に関わる脂質代謝の研究:生体内酸化LDLの構造解明と細胞内脂肪滴制御機構」 |
学術振興賞受賞者(応募7件、授賞4件)
第1A部門 有機化学 第1B部門 生薬・天然物化学、医薬品化学第2部門 分析化学、物理化学、アイソトープ・放射線科学
第3部門 生物化学、微生物科学
第4A部門 薬剤学・製剤学、医療薬学 第4B部門 衛生化学、薬理学
第1A部門 | 第1B部門 |
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谷口 陽祐 | 大庭 誠 |
(岡山大学学術研究院医歯薬学域(薬) 教授) | (京都府立医科大学大学院医学研究科 教授) |
「核酸の精密分子認識を活用した先端的人工核酸誘導体の開発と創薬展開」 | 「膜透過性ペプチドの開発とDDSへの応用」 |
第4A部門 | 第4B部門 |
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勝見 英正 | 檜井 栄一 |
(大阪大谷大学薬学部薬剤学講座 教授) | (岐阜薬科大学 教授) |
「アミノ酸修飾を利用した骨または腎臓への標的指向型ドラッグデリバリーシステムの開発」 | 「幹細胞研究を基軸とした難治性疾患の病態解明と根本治療法の開発」 |
奨励賞受賞者(応募13件、授賞8件)
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家田 直弥 | 植田 圭祐 |
(北海道大学大学院薬学研究院 准教授) | (千葉大学大学院薬学研究院 助教) |
「光と分子の相互作用を駆使した生体制御ツールの開発」 | 「分子レベルでの物性評価に基づく特殊製剤の品質評価基盤の確立」 |
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大澤 昂志 | 中嶋 優 |
(大阪大学大学院薬学研究科 助教) | (富山大学和漢医薬学総合研究所 助教) |
「医薬応用を志向した機能性人工核酸材料およびリガンドコンジュゲート合成法の開発」 | 「2OGXの立体構造解析に基づく機能解析と阻害剤の探索」 |
萩原 浩一 | 松田 研一 |
(東京大学大学院薬学系研究科 助教) | (北海道大学薬学部 准教授) |
「新たな分子複雑化戦略による官能基密集型天然物の効率的全合成」 | 「天然物生合成酵素の開拓と有用化合物合成への応用」 |
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三ツ沼 治信 | 三宅 崇仁 |
(東京大学大学院薬学系研究科 助教) | (京都大学大学院薬学研究科 助教) |
「sp3炭素-水素結合官能基化反応を実現する触媒システムの 創製」 |
「温度と活性酸素種を介した生命の環境適応機構の解明」 |
女性薬学研究者奨励賞受賞者(応募4件、授賞2件)
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安部 賀央里 | 山口 深雪 |
(名古屋市立大学大学院薬学研究科 講師) | (静岡県立大学薬学部 助教) |
「大規模医療情報と機械学習を活用したデータ駆動型の医薬品副作用予測モデルの開発」 | 「触媒による反応の位置選択性制御を活用した多置換化合物類の合成」 |
創薬科学賞受賞者(応募5件、授賞2件)
「3CLプロテアーゼをターゲットとしたCOVID-19治療薬ensitrelvirの創製」![]() |
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立花 裕樹 | 宇納 佑斗 | 上原 彰太 | 登 治謙 | 加藤 輝久 |
宇納 佑斗(塩野義製薬株式会社 創薬研究本部 創薬化学研究所 QOL疾患化学2)
上原 彰太(塩野義製薬株式会社 創薬研究本部 創薬化学研究所 ケモインフォマティクス)
登 治謙(塩野義製薬株式会社 創薬研究本部 創薬疾患研究所 感染症3 サブグループ長)
加藤 輝久(塩野義製薬株式会社 創薬研究本部 創薬疾患研究所 感染症領域 領域長)
受賞理由
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックを引き起こし、治療薬が社会的に強く望まれている状況下、原因ウイルスであるSARS-CoV-2の3CLプロテアーゼを標的とした創薬研究を開始し、過去に例を見ないスピードでensitrelvirの実用化を達成した。先行品とは一線を画す非ペプチド性かつ非共有結合性阻害剤の創製を指向し、これまでの知見、経験をもとに社内ライブラリから効率的なスクリーニングを実施することにより、良好な薬物動態プロファイルを有する高品質なヒット化合物を取得した戦略はスピード開発を実現する上で秀逸であり、独創性が高い。またensitrelvir は、1日1回の経口投与で重症化リスクの有無を問わず幅広く使用できるため、医療現場の利便性も高い。以上のことから、本業績は創薬科学賞の受賞に値すると判断された。「新世代抗体薬物複合体DXd-ADC技術の開発による新規がん治療薬トラスツズマブ デルクステカンの創製」
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我妻 利紀 | 阿部 有生 | 内藤 博之 | 中田 隆 | 扇谷 祐輔 |
阿部 有生(第一三共株式会社 執行役員 研究イノベーション企画部長)
内藤 博之(第一三共株式会社 研究イノベーション企画部 主幹)
中田 隆(第一三共株式会社 モダリティ第一研究所 グループ長)
扇谷 祐輔(第一三共株式会社 ディスカバリー第五研究所 グループ長)
受賞理由
抗体薬物複合体(ADC)は次世代の抗体医薬品として注目を浴びている。受賞者らは、抗体から新規なDNAトポイソメラーゼI阻害剤 DXdを効果的に遊離させる「DXd-ADC」技術を開発し、抗HER2抗体を有するADC薬 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の創製を成し遂げた。T-DXdは既存のADC薬よりも薬物抗体比が高く、また強力な活性とバイスタンダー抗腫瘍効果を示す等、優れたプロファイルを示すADC薬であり、HER2陽性乳がんを適応症として日米欧での承認をはじめ、HER2陽性胃がん、非小細胞肺がん、さらにHER2低発現の乳がんでも承認を取得した。T-DXdはADC薬として初のがん種横断的適応となる革新的な医薬品であり、がん治療における医療貢献度も非常に高い。また「DXd-ADC」技術から良好な臨床成績を示す複数の開発品が得られており、その汎用性も示されている。以上のことから、本業績は創薬科学賞の受賞に値すると判断された。教育賞受賞者(応募2件、授賞2件)
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鍜冶 利幸 | 船山 信次 |
(東京理科大学 名誉教授) | (日本薬科大学 客員教授) |
「衛生薬学振興への貢献とその実践を通じた薬系人材の育成」 | 「著作や講演活動などによる国民各層に対する薬学知識の啓発」 |
佐藤記念 医療貢献薬剤師賞受賞者(応募3件、授賞1件)
大野 能之 |
(東京大学医学部附属病院薬剤部 副薬剤部長) |
「PISCS(Pharmacokinetic Drug Interaction Significance Classification System)を基盤とした薬物相互作用マネジメントの推進」 |