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生薬の花

ケイガイ
Schizonepeta tenuifolia Briquet(シソ科)

ケイガイ

ケイガイ

 ケイガイの花

ケイガイの花

荊芥穂

荊芥穂

 ケイガイは、中国北部を原産とする1年草で、高さは60~80 cmほどです。細長い穂状の花序を形成し、全草に特有の芳香を有するのが特徴です。茎は直立し、断面が四角形(方形)を呈しており、短い柔毛に覆われています。葉は細長い線形あるいは披針形です。花期は主に8月で、淡紫色の小花が花穂の下部から輪状に付き、順次上方へ向かって開花していきます。このような花のつき方はシソ科植物に共通する典型的な形態です。上部の花が開花する8月中旬から9月中旬頃に地上部を採取し、乾燥させた後の花穂を生薬「荊芥穂」として用います。なお、中国では地上部全体を「荊芥」として用いるのに対して、日本では花穂のみを使用するため「荊芥穂」として区別しています。含まれる成分としては、精油成分である( + ) -menthoneや( - ) -pulegoneなどのモノテルペノイド類を含んでいます。
 薬理作用としては、抗炎症作用や解熱作用、鎮痛作用などが報告されていますが、生薬単独で用いられることは少なく、通常は複数の生薬と組み合わせて漢方処方として使用されます。東洋医学的には辛温解表薬に分類され、皮膚疾患(にきび、アトピー性皮膚炎など)や鼻症状(慢性副鼻腔炎など)に対して用いられる処方に配合されることが多いです。代表的な処方として、荊芥連翹湯、十味敗毒湯、清上防風湯、消風散などが挙げられます。ちなみに、日本で一般的に用いられている荊芥連翹湯は、『万病回春』に記載される同名処方とは構成が異なり、一貫堂医学の創始者である森道伯が、黄連や黄柏などを加えて改変した処方です。この処方は特に「解毒証体質」の改善を目的としています。

(髙山健人、磯田進)

注)本植物は専ら医薬品として使用される成分を含んでいるため、むやみに使用してはいけません。

[参考図書]

奥田拓男 編、『天然薬物 生薬学 第3版』、廣川書店