今月は食卓にも登場するヤマノイモについてご紹介します。ヤマノイモは、日本の本州、四国、九州に分布し、中国大陸や台湾の日当たりのいい山野にも生えるつる性の多年草です。地下部の担根体(根と根茎の特徴を備えた器官)は多肉の円柱形で長く直下に伸び、茎は多数に分岐します。葉は対生か稀に一部互生し、長い葉柄があり、葉身は長さ5~10 cmで長卵形か細長いハート形をしています。花は8月に咲き、雌雄異株で葉の付け根から1~3個の穂状花序を出します。雄花の花序は直立し多数花をつけ、雌花の花序は真下に垂れ、まばらに数個の花をつけます。葉の付け根には、わき芽が養分を蓄え肥大化し、小さな豆のような「むかご(零余子)」ができます。
秋に葉が落ちた頃に担根体を掘り上げ、水洗後,周皮(コルク層)を除いて適当な大きさに刻んでから日干しにすると生薬の山薬(さんやく)となります。担根体には、粘液の糖タンパク、ジアスターゼ、サポニン類やタンニンが含まれています。山薬は虚熱を改善する補薬して利用されており、六味丸、八味地黄丸、牛車腎気丸などの漢方処方に配剤されています。また、ナガイモD. batatas Decaisneの周皮を除いた担根体も山薬として利用されます。中国では、ヤマノイモの果実は風車児(フウシャジ)と呼ばれ、耳鳴りを治す目的で使用されています。
ヤマノイモは古来、滋養強壮や止瀉薬として用いられています。民間では、夜尿、遺精、盗汗(ねあせ)などにも用いられます。また、山野に自生するので、自然薯(じねんじょ)とも呼ばれています。ヤマノイモと非常によく似ている植物にオニドコロやナガイモがあり、この3つを見分けるには葉の付き方と葉の形を見るのがポイントです。ヤマノイモとナガイモの葉は2枚の葉が基本的に対生であるのに対し、オニドコロの葉は互生になります。また、ナガイモの葉はハートのくぼみがしっかり入っていますが、ヤマノイモの葉はシャープなハート形をしています。最後に、オニドコロの根は苦く、有毒であるため食用にも薬用にもなりませんのでご注意ください。
秋に葉が落ちた頃に担根体を掘り上げ、水洗後,周皮(コルク層)を除いて適当な大きさに刻んでから日干しにすると生薬の山薬(さんやく)となります。担根体には、粘液の糖タンパク、ジアスターゼ、サポニン類やタンニンが含まれています。山薬は虚熱を改善する補薬して利用されており、六味丸、八味地黄丸、牛車腎気丸などの漢方処方に配剤されています。また、ナガイモD. batatas Decaisneの周皮を除いた担根体も山薬として利用されます。中国では、ヤマノイモの果実は風車児(フウシャジ)と呼ばれ、耳鳴りを治す目的で使用されています。
ヤマノイモは古来、滋養強壮や止瀉薬として用いられています。民間では、夜尿、遺精、盗汗(ねあせ)などにも用いられます。また、山野に自生するので、自然薯(じねんじょ)とも呼ばれています。ヤマノイモと非常によく似ている植物にオニドコロやナガイモがあり、この3つを見分けるには葉の付き方と葉の形を見るのがポイントです。ヤマノイモとナガイモの葉は2枚の葉が基本的に対生であるのに対し、オニドコロの葉は互生になります。また、ナガイモの葉はハートのくぼみがしっかり入っていますが、ヤマノイモの葉はシャープなハート形をしています。最後に、オニドコロの根は苦く、有毒であるため食用にも薬用にもなりませんのでご注意ください。
(小池佑果、磯田 進)
注)この植物を薬用としてするには専門的な知識が必要ですので、必ず専門家の指導の下で利用して下さい。利用により,万一,体調が悪くなられた場合は医師にご相談下さい。


