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日本薬学会創薬科学賞・受賞記念総説一覧

 本学会会誌「ファルマシア」への掲載は「賞別一覧」と「年度別一覧」の両方からJ-STAGEにてご覧いただけます。(受賞題目と論文タイトルは異なる場合があります)。2020年度よりお顔写真の掲載有。


2024年度(2024.3.28)

「睡眠障害治療薬を志向したオレキシン1/2受容体新規デュアルアンタゴニスト レンボレキサントの創製」

寺内 太朗(エーザイ株式会社 DHBL プロテインインテグリティー&ホメオスタシスドメイン ヘッド)
上野 孝哉(エーザイ株式会社 DHBL PPDファンクションBAユニット グローバル薬物動態研究部 幹研究員)
朝倉 省二(エーザイ株式会社 DHBL PPDファンクションBAユニット グローバル安全性研究部 部長)
久保田直樹(エーザイ株式会社 DHBL CEG 日本・アジア臨床開発部 ディレクター)
ボイクマン カーステン(ツインピークスマウンテンブルーイング合同会社 社長)

〔受賞理由〕

不眠症の主原因が覚醒経路の夜間過剰活性化であることを踏まえ、従来薬とは異なり、合理的な治療アプローチと考えられる覚醒系の抑制に狙いを定めた点が成功の起点となっている。化合物においては、合理的判断により3置換シクロプロパンを基本とするユニーク構造とした点に高い独創性がある。また、薬物動態や安全性の多くの課題を克服し、バランスの取れたプロファイルの化合物に最適化した点も評価が高い。前臨床から臨床試験において、従来薬とは一線を画す優れた薬効および安全性プロファイルを示し、国内外において多くの不眠症患者のアンメットメディカルニーズを充足しつつある。以上のことから創薬科学賞の受賞に十分値するものと判断された。




「抗FGF23抗体ブロスマブ(burosumab)の研究開発」

山崎 雄司(協和キリン株式会社 研究開発本部 研究ユニット 疾患サイエンス第1研究所 所長)
福本 誠二(たまき青空病院 名誉院長)
山下 武美(協和キリン株式会社 取締役専務執行役員)
島田 孝志(協和キリン株式会社 研究開発本部 研究ユニット 研究マネジメントオフィス オフィス長)
浦川 到 (協和キリン株式会社 研究開発本部 東京リサーチパーク ITインフラグループ マネジャー)

〔受賞理由〕

産学協同研究による低リン血症性くる病・骨軟化症の病因となるFGF23の同定や、受容体機構を含むその生体内での作用解明や測定法開発に始まり、疾患概念の確立、さらにはFGF23に対する強力な中和活性を有する完全ヒト型抗体の取得、そして臨床試験を進めることで根本治療薬の創製に成功した。これら基礎研究に始まり医薬品創出に至る長年の研究開発は新規性や独創性、革新性に優れるとともに、既存治療法と比較して患者のQOLを大きく改善したという点で医療現場へのインパクトも絶大である。以上のことから創薬科学賞の受賞に十分値するものと判断された。

2023年度(2023.3.25)

「JAK阻害薬 delgocitinibの創製」

塩﨑  真(日本たばこ産業株式会社 医薬総合研究所 高槻リサーチセンター化学研究所 副所長
野路  悟(日本たばこ産業株式会社 医薬総合研究所 高槻リサーチセンター化学研究所 グループリーダー
小西 典子(日本たばこ産業株式会社 医薬総合研究所 高槻リサーチセンター生物研究所 グループリーダー
谷本 敦男(日本たばこ産業株式会社 医薬総合研究所 高槻リサーチセンター生物研究所 主幹研究員
仲  裕一(日本たばこ産業株式会社 医薬総合研究所 高槻リサーチセンター研究企画部 グループリーダー

〔受賞理由〕

同じ作用機序を持つ先行化合物が多数存在する中、三次元性を高めた構造複雑性の付与という観点で構造展開を行い、高活性かつ高選択的な新規JAK阻害薬を見出した点は高い独創性が発揮されている。加えて、合成難易度の高いスピロアミンパートを含む本誘導体について実用的な製造プロセスを開発した点も高い評価に値する。さらに、臨床応用する際には、先行する同作用機序薬にはなかったポジショニングであるアトピー性皮膚炎の外用剤を選択、研究開発・上市した点に優れた戦略性と高い医療現場への波及効果が認められる。以上のことから創薬科学賞の受賞に十分値するものと判断された。

ファルマシア 59巻 6号 536-540頁


「新規シデロフォアセファロスポリン抗菌薬セフィデロコルの創製」

青木 俊明(塩野義製薬株式会社 R&D支援室 グループ長
山脇 健二(塩野義製薬株式会社 創薬化学研究所 創薬化学研究所長
佐藤 剛章(塩野義製薬株式会社 創薬疾患研究所 創薬疾患研究所長
西谷 康宏(塩野義製薬株式会社 2011年退職
山野 佳則(塩野義製薬株式会社 創薬疾患研究所 感染症領域シニアフェロー

〔受賞理由〕

細菌の鉄輸送システムを利用したユニークな創薬コンセプトに着目し、世界初のシデロフォアセファロスポリンを創出した点に高い独創性がある。加えて、治療選択肢が不足しWHOが懸念するカルバペネム耐性グラム陰性菌感染症に対して治療薬薬を提供したことで、製品有用性、医療革新性が非常に高いものとなっている。さらに、低中所得国を含めた全世界に本薬剤を提供していることは、世界規模の健康増進と保護という観点で多大な貢献をもたらしている。以上のことから創薬科学賞の受賞に十分値するものと判断された。

ファルマシア 59巻 6号 541-545頁

2022年度(2022.3.25)

「インフルエンザ キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬 バロキサビルマルボキシルの創薬と開発」

河井 真(塩野義製薬株式会社 創薬化学研究所 創薬化学6 ディレクター
宍戸 貴雄(塩野義製薬株式会社 創薬疾患研究所 感染症2 ディレクター
上原 健城(塩野義製薬株式会社 医薬開発本部 臨床開発部長
土屋 賢二(塩野義製薬株式会社 ニュープロダクトプランニング部 感染症戦略ユニット長

〔受賞理由〕

バロキサビルマルボキシルは、世界で唯一のキャップ依存性エンドヌクレアーゼを標的とするインフルエンザ治療薬である。既存薬と比べて抗ウイルス効果が極めて高く、単回経口投与で治療が完結することから利便性に優れ、インフルエンザ治療薬の選択肢拡充に貢献した。また、ヒット化合物からの構造展開は独創性にあふれており、大胆な構造変換により極めてユニークな化学構造を持つ高活性化合物を創製した点で、創薬化学的にも注目に値する。さらに臨床試験開始から3年という異例の速さで承認を取得し、現在までに世界60カ国で承認され、多くの患者の治療に貢献している。以上により、創薬科学賞にふさわしい成果と認められる。

ファルマシア 58巻 6号 582-586頁




「リサイクリング抗体サトラリズマブの創製」

井川 智之(中外製薬株式会社 トランスレーショナルリサーチ本部 本部長)
石井 慎也(中外製薬株式会社 研究本部 バイオ医薬研究部 リードクリエイショングループ 主任研究員)
島岡  伸(中外製薬株式会社 研究本部 研究業務推進部 新拠点設立準備グループ 副部長)
樋口 義信(株式会社中外医科学研究所 副部長)
橘  達彦(中外製薬株式会社 トランスレーショナルリサーチ本部 医科学薬理部 ファーマコメトリクス2グループ グループマネージャー)

〔受賞理由〕

サトラリズマブは、申請者らが独自に開発したリサイクリング抗体技術を初めて適用したヒト化抗 IL-6 レセプターモノクローナル抗体である。従来の受容体抗体は膜型抗原に結合すると、ライソソームに移行して分解されてしまうため、治療効果の持続性に問題があった。これに対して、エンドソーム内の酸性条件で抗原を解離させる機能を抗体に付与し、再び細胞質に移行して1分子の抗体が複数の抗原に繰り返し結合できるリサイクリング抗体というきわめて独創性の高い画期的な技術の開発に成功し、薬効持続性の向上を達成した。さらに、この画期的な技術は汎用性が高く、高い波及効果を有し、抗体医薬品の可能性の拡大にも貢献している。また、本薬剤は、指定難病でアンメットメディカルニーズが高い疾患である神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の治療薬としてグローバルでの成長も期待される革新的医薬品であることから、創薬科学賞にふさわしい成果といえる。

ファルマシア 58巻 7号 710-714頁

2021年度(2021.3.26)

「AMPA型グルタミン酸受容体拮抗剤ペランパネルの創薬研究」

長戸哲(エーザイ株式会社知的財産部ディレクター)
花田敬久(エーザイ株式会社メディスン開発センター戦略企画推進部シニアディレクター)
上野貢嗣(エーザイ株式会社知的財産部特許第一グループディレクター)
上野正孝(エーザイ株式会社DTIE事業部ディレクター)
竹中理(エーザイ株式会社メディスン開発センタークリニカルファーマコロジーサイエンス部クリニカルM&Sグループグループ長)

〔受賞理由〕

ペランパネルは、グルタミン酸受容体のうちAMPA受容体を選択的非競合的に抑制するファースト・イン・クラスの抗てんかん薬である。1980年代より神経興奮を担うグルタミン酸受容体は重要な創薬標的として認識されてきたにもかかわらず医薬品の創製には至らなかった。しかし本研究者らはHTSより得られたリード化合物を構造最適化することにより経口吸収性、脳移行性、薬物動態、サブタイプ選択性等を改善し、副作用との乖離が難しいとされるグルタミン酸受容体を直接ターゲットとする世界初の薬剤の創製・開発に成功し、本薬剤は現在世界60ヶ国以上で使われている。以上の事より本研究は日本薬学会創薬科学賞を受賞するに値すると判断した。

ファルマシア 57巻 6号 520-524頁

2020年度(2020.3.25)

「VEGFおよびFGF受容体キナーゼ阻害に基づく抗腫瘍剤レンバチニブの創製」

船橋泰博(エーザイ株式会社オンコロジービジネスグループデピュティチーフサイエンティフィックオフィサー)
鶴岡明彦(エーザイ株式会社理事/オンコロジービジネスグループメディスンクリエーション日本・アジア臨床開発部部長)
松井順二(エーザイ株式会社オンコロジービジネスグループデピュティチーフディスカバリーオフィサー/メディスンクリエーショントランスレーショナルサイエンス部部長)
松嶋知広(エーザイ株式会社オンコロジービジネスグループストラテジー部部長)
宮崎和城(大原薬品工業株式会社研究開発本部創薬企画部部長)

〔受賞理由〕

VEGFおよびFGF受容体キナーゼ阻害剤である抗腫瘍剤レンバチニブは、エーザイ株式会社の創薬研究チームによって創製されたユニークな新規血管新生阻害剤である。独自に構築したヒト病態を模倣した評価系を用いて得られたリード化合物を基に巧みな構造展開を行い、世界初のタイプV結合様式を持つキナーゼ阻害剤・レンバチニブを創製した。腫瘍増殖と血管新生に関連する複数のキナーゼを選択的に阻害する薬剤特性を巧みに利用し、臨床試験において多くの癌種に対する有効性を確認し、現時点で甲状腺がん、腎細胞がん、肝細胞癌への適用を取得している。現在6がん腫において免疫チェックポイント阻害剤との併用による後期臨床試験が進行中である。またFDAよりブレークスルー・セラピーの指定を受けている革新的な医薬品であり、今後グローバルでの成長が大いに期待される。以上の事よりレンバチニブの研究開発は、日本薬学会創薬科学賞の受賞に値するものと判断した。

ファルマシア 56巻 6号 537-541頁

「末梢性μオピオイド受容体拮抗薬ナルデメジンの創薬研究」

金政利幸(塩野義製薬株式会社経営戦略部経営企画部)
稲垣雅尚(塩野義製薬株式会社創薬化学研究所中分子創薬部門主幹研究員)
鈴木勉(星薬科大学薬学部)
横田隆明(塩野義製薬株式会社医薬開発本部プロジェクトマネジメント部)
長谷川稔(塩野義製薬株式会社医薬研究本部創薬疾患研究所長)

〔受賞理由〕

ナルデメジンは末梢選択的なμオピオイド受容体拮抗薬(PAMORA)であり、オピオイドの主作用である中枢性の鎮痛作用には影響を及ぼさず、副作用である末梢のオピオイド誘発便秘(OIC)に対しては、オピオイドの受容体結合と拮抗することでOICを改善する新しい作用機序の治療薬として開発された。本創薬研究ではコンセプトの妥当性とそのプロファイルを満たす化合物の取得が成功の鍵であったが、豊富な創薬経験と巧みな探索手法により達成することができた。本薬は2017年に国内で初承認され、ガン性疼痛等におけるオピオイド使用において患者のQOL改善に大きく貢献している。また、現在では米国および欧州(イギリス、オランダ、ドイツ)においても承認を取得しており、日本発の画期的グローバル製品に成長することが期待される。以上の研究成果により創薬科学賞に値すると判断する。

ファルマシア 56巻 6号 542-546頁

2019年度(2019.3.20)

「選択的活性化血液凝固第X因子阻害薬エドキサバンの研究開発」

国忠聡(第一三共株式会社顧問)
森島義行(第一三共株式会社メディカルサイエンス部主幹)
吉野利治(第一三共株式会社研究統括部主幹)
木村哲也(第一三共株式会社メディカルサイエンス部グループ長)
緒方孝一郎(第一三共株式会社アジア開発部部長)

〔受賞理由〕

経口FXa阻害薬エドキサバンは、ワルファリンを凌駕する半世紀ぶりの経口抗凝固剤として研究開発に挑戦してきた第一三共のチームが、30年にわたる歳月を掛けて遂に開発に成功し日本で最初に上市したBest in Classの薬剤である。日本では2011年に、米国と欧州では2015年に相次いで承認されたエドキサバンはセリンプロテアーゼ阻害薬であるため、創薬チームはFXa以外のセリンプロテアーゼを阻害しない酵素選択性の高さを追求し続けると同時に、経口吸収性の課題も克服しなければならなかった。第一三共が一社単独で経口FXa阻害薬の研究開発を完遂したその執念と創薬力の高さが非常に高く評価される。実臨床現場での評判も良く、国内でのシェアは高い。一方、海外では先行して上市した2社の経口FXa阻害薬と熾烈な戦いを繰り広げており、グローバルに使用される新薬として今後の成長が大いに期待される。したがってエドキサバンの研究開発は、日本薬学会創薬科学賞の受賞に値するものと判断された。

ファルマシア 55巻 6号 549-552頁

「MEK阻害薬トラメチニブの創製」

阿部博行(日本たばこ産業株式会社医薬総合研究所化学研究所主席研究員)
菊池慎一(日本たばこ産業株式会社医薬総合研究所化学研究所主任研究員)
吉田孝行(日本たばこ産業株式会社医薬総合研究所医薬探索研究所主幹研究員)
山口尚之(日本たばこ産業株式会社医薬総合研究所研究企画部調査役)
酒井敏行(京都府立医科大学大学院医学研究科教授)

〔受賞理由〕

日本たばこ産業株式会社(JT)の創薬研究グループによるMEK阻害剤トラメチニブの創薬は、京都府立医科大学教授の酒井敏行先生が考案した「がん抑制遺伝子を修復する、あるいは活性化する薬剤を細胞のフェノタイプの解析でスクリーニングする」という新しい抗がん剤の開発アプローチの実践であり、我が国発の注目すべきユニークな創薬研究の成果である。フェノタイプアッセイで化合物をスクリーニングし、結果的にはがん抑制遺伝子の一つp15INK4bを増やす化合物が、細胞のサイトカインシグナルトランスダクションでRASやRAFの下流にあるMEK1とMEK2の阻害剤であることを突き止めた。世界的に早期からRASやRAFの阻害剤開発競争が行われていたが、RASの阻害薬はいまだに上市されず、いずれのRAFの阻害剤も副作用が多い中で、MEK1とMEK2のアロステリック阻害薬であるトラメチニブの有用性は非常に高いと考えられ、世界初の国産分子標的薬として自慢できるFirst in Classの薬剤である。2006年にGSK社へ導出され、2013年には米国でMEK阻害薬として世界初で承認され、今や世界60か国で承認されている。このような開発の経緯から、MEK阻害剤トラメチニブの創薬は日本薬学会創薬科学賞に値するものと判断された。

ファルマシア 55巻 6号 553-557頁

平成30年度

該当者なし

平成29年度(2017.3.24)

「HIV-1インテグラーゼ阻害剤 ドルテグラビルの創薬と開発」

吉永智一(塩野義製薬株式会社創薬疾患研究所感染症部門抗ウイルス1グループ長)
藤原民雄(塩野義製薬株式会社HIV Integrase Inhibitorグローバルプロジェクトリーダー)
川筋孝(塩野義製薬株式会社創薬化学研究所感染症化学部門部門長)
Brian A. Johns(VP and Head, HIV Discovery Performance Unit, Infectious Diseases R&D, GlaxoSmithKline)
佐藤彰彦(塩野義製薬株式会社創薬疾患研究所感染症部門新興再興感染症 チームリーダー)

〔受賞理由〕

ドルテグラビルは、HIV-1インテグラーゼ阻害作用を有する次世代抗HIV薬であり、2013年8月に米国で、2014年4月に日本で認可され、現在50カ国以上で承認されている。
ドルテグラビルは、独自に見出した「2メタル結合ファーマコフォアモデル」に立脚した合理的な分子設計により見出され、先行の第1世代2剤(ラルテグラビル、エルビテグラビル)の耐性ウイルスに対して強い活性を維持している。さらに又、PKブースターを必要としない1日1回型であり、食事の影響も受けない等、先行2剤の問題点を克服して服薬アドヒアランスもよい。現在、抗HIV治療に用いられるHARRT療法は3剤配合剤を用いるが、現在ドルテグラビルを含む2剤配合剤の臨床試験中(Ph3)である。これは副作用の軽減につながり、医療経済的にも有用である。又既に開発途上国で低価格の使用の道も開かれつつある。以上のことから創薬科学賞に値する。

ファルマシア 53巻 6号 565-569頁

「ALK (anaplastic lymphoma kinase) 選択的阻害剤 アレクチニブの創製」

及川信宏(中外製薬株式会社創薬化学研究部主席研究員)

坂本洋(中外製薬株式会社創薬薬理研究部グループマネージャー)
高梨賢二(中外製薬株式会社前臨床研究部研究員)
鈴木弘美(中外製薬株式会社安全性研究部グループマネージャー)
吉村康史(中外製薬株式会社プロダクトリサーチ部主任研究員)

〔受賞理由〕

アレクチニブは、ALKに対して高選択的かつ強力な阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤であり、2014年7月に日本で、米国ではFDAからBreakthrough Therapy(画期的治療薬)の指定を受けて2015年12月に承認された。ユニークな構造を有するヒット化合物を選択し、分子モデリングからの選択性の予測、単回PK試験を実施することによる構造と薬物動態の関係予測など、通常では行わない方法論を採用して効率的な最適化を行い、アレクチニブを見出したことは特筆に価する。その結果、先行品であるクリゾチニブ耐性獲得腫瘍にも強力な阻害活性を持つ抗悪性腫瘍剤に仕上がった。又、脳内移行性も期待されることから適応症の拡大が望める。以上のことから創薬科学賞に値する。

ファルマシア 53巻 6号 570-574頁

平成28年度(2016.3.26)

「新規カリウムイオン競合型アシッドブロッカーボノプラザンの創製」

西田晴行(武田薬品工業株式会社医薬研究本部化学研究所主席研究員)
稲富信博(元武田薬品工業株式会社)
梶野正博(三國製薬工業株式会社研究開発部長)
樽井直樹(武田薬品工業株式会社医薬研究本部生物分子研究所長)

〔受賞理由〕

ボノプラザンは、既存のプロトンポンプ阻害剤(PPI)とは異なる作用様式でプロトンポンプを阻害するカリウムイオン競合型アシッドブロッカーで、幅広い酸関連疾患の適応で2015年2月に日本で発売された。PPIの課題である作用発現の遅さ、効果の個人差および食事の影響などを改善し、臨床において強い酸分泌抑制効果と長い作用持続により、重症の逆流性食道炎の治癒およびH. pylori除菌において、既存のPPIに比べて優れた効果を示している。世界の多くの製薬企業が副作用等の理由から開発を断念する中、自社化合物ライブラリーから新規な化学構造のヒット化合物を見出し、活性・代謝安定性・毒性面の課題を改善し、完成度の高いボノプラザンを見出したことは創薬科学賞に値する。

ファルマシア 52巻 6号 539-543頁

「抗PD-1抗体ニボルマブ(nivolumab)の研究開発」

柴山史朗(小野薬品工業株式会社筑波研究所先端医薬研究部 主席/研究統括部 上級アドバイザー(免疫・バイオ医薬研究))
本庶佑(京都大学大学院医学研究科 客員教授/静岡県公立大学法人 理事長)
湊長博(京都大学大学院医学研究科教授)
岩井佳子(産業医科大学医学部分子生物学教授)
Alan Korman(Vice President, Immuno-Oncology, Bristol-Myers Squibb Biologics Discovery California)

〔受賞理由〕

抗PD-1抗体ニボルマブは、癌細胞による腫瘍免疫の回避に重要な役割を果たしているPD-1/PD-L1経路のPD-1をブロックすることにより腫瘍免疫を活性化し、抗腫瘍効果を示す抗癌剤である。2014年7月に日本において世界初の抗PD-1抗体として「根治切除不能な悪性黒色腫」を適応として承認された。長年に亘る産学共同研究の中で、PD-1分子の機能解明と抗PD-1抗体の抗癌効果の発見が行われ、腫瘍免疫の基礎研究へ大きな影響を与えた。PD-1/PD-L1の腫瘍免疫療法における重要性を認知したグローバルメガファーマによるPD-1ブロッカーの画期的な臨床試験成績は腫瘍免疫療法に対する評価を一変させている。抗PD-1抗体の抗癌剤としての可能性を見出し、いち早く日本において開発を行い臨床現場に提供したことは創薬科学賞に値する。

ファルマシア 52巻 4号 322-326頁

平成27年度(2015.3.25)

「新規成人T細胞白血病リンパ腫治療薬モガムリズマブ(高ADCC活性POTELLIGENT技術を応用したヒト化抗CCR4抗体)の研究開発)」

設楽研也(協和発酵キリン株式会社執行役員法務知的財産部長)
中村和靖(協和発酵キリン株式会社研究開発本部東京リサーチパーク副リサーチパーク長兼企画推進グループ長)
松島綱治(東京大学医学部 大学院医学研究科分子予防医学教室教授)
秋永士朗(協和発酵キリン株式会社研究開発本部フェロー)
上田龍三(愛知医科大医腫瘍免疫寄付講座教授)

〔受賞理由〕

モガムリズマブは、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)を対象疾患として、CCR4ケモカイン受容体に対する世界初のヒト化抗体医薬として我が国で初めて承認された。従来の複数の抗癌剤によるATL化学療法は治療満足度が低く、予後不良疾患として位置づけられていた。本研究ではATLにCCR4が高発現していることに着目し、ヒト化CCR4抗体のATL治療薬としての開発が推進された。本剤は臨床試験で高い有効性が確認され、再発または難治性のCCR4陽性ATLを対象として認可されている。抗体依存性細胞障害活性を飛躍的に増強させる独自のポテリジェント技術の最初の応用例として本剤の開発の意義は大きく、同技術は日本発の次世代抗体技術として画期的な手法を提供するものである。産学連携の成功事例としても評価できる。ポテリジェント技術の開発とヒト化CCR4抗体への応用のインパクトは大きく、創薬科学賞にふさわしいと判断される。

ファルマシア 51巻 7号 683-687頁

平成26年度(2014.3.27)

「β3アドレナリン受容体作動薬ミラベグロンの創製」

丸山龍也(アステラス製薬株式会社化学研究所主管研究員)
恩田健一(アステラス製薬株式会社化学研究所主管研究員)
高須俊行(アステラス製薬株式会社薬理研究所主管研究員)
佐藤修一(アステラス製薬株式会社研究推進部 課長)
鵜飼政志(アステラス製薬株式会社薬理研究所主任研究員)

〔受賞理由〕

β3アドレナリン受容体作動薬ミラベグロンは、ファーストインクラスの過活動膀胱治療薬として2011年9月に本邦で発売が開始され、米国および欧州においても発売されている。現在過活動膀胱治療薬として用いられているムスカリン受容体拮抗薬と比較すると、本薬は口内乾燥等の有害事象を発現する頻度が低く、膀胱のβ3アドレナリン受容体刺激作用を介して蓄尿時の膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を改善するとともにQOLを向上させる。アドレナリン関連化合物の特許が多い中、活性と選択性に優れた独自の開発化合物を創製し、また開発競争の激しい中にあり、他社に先駆けて医療に貢献できる薬剤を開発し臨床現場に提供できた点は創薬科学賞に値する。

ファルマシア 50巻 6号 533-537頁

「2型糖尿病治療を指向したSGLT2阻害薬カナグリフロジンの創製」

野村純宏(田辺三菱製薬株式会社研究本部創薬化学第二研究所第一部主席研究員)
辻原健二(旧田辺製薬株式会社元社員)
荒川健司(田辺三菱製薬株式会社研究本部薬理第二研究所第二部部長)

〔受賞理由〕

SGLT(ナトリウム-グルコース共輸送体)2阻害薬カナグリフロジンは、米国において2型糖尿病治療薬として2013年3月に承認を取得した。現在、欧州および本邦でも承認申請中である。SGLT2阻害薬は、体外に過剰な糖を排泄してしまうことでエネルギーバランスを正常化させ、血糖降下作用により糖毒性を解除するという新しいコンセプトに基づく新規糖尿病治療薬である。先行していた自社のO-グルコシド型の阻害薬研究が発端となり、自社において蓄積した技術や知識、他社特許情報等を巧みに活用しながら、自社開発化合物を創製した。さらに、本薬は臨床試験において既存のDPP4阻害薬を上回る血糖低下作用を示し、安全性などの点でもハードルが高い米国において最初に承認取得できたことは創薬科学賞に値する。

ファルマシア 50巻 6号 538-542頁

平成25年度(2013.3.27)

「バソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタンの創製」

小川英則(大塚製薬株式会社Qs'研究所・副所長)
山下博司(大塚製薬株式会社Qs'研究所・主任研究員)
田中理紀(大塚製薬株式会社有機化学研究所・主任研究員)
山村由孝(大塚製薬株式会社・リーダー)
藪内洋一(大塚製薬株式会社・フェロー研究部門統轄)

〔受賞理由〕

バゾプレシンV2受容体に対して選択的かつ強力な阻害薬であるトルバプタンを化合物創製から臨床試験まで本邦独自に開発したこと、既存のナトリウム排泄型利尿薬と異なり、電解質排泄の増加を伴わず、水のみを排泄するという、新規作用機序の経口投与の水利尿薬であり、日米欧で承認を取得、既に世界13か国の医療に貢献していること、さらには、N-ベンゾイルテトラヒドロジアゼピン骨格がV2受容体の拮抗作用に重要であることを発見し、他社開発薬のドラッグデザインにも活用されるなど、科学の発展にも貢献していることなど、創薬研究に大きな進歩があり、創薬科学賞に値する。

ファルマシア 49巻 6号 529-533頁

「新規乳がん治療薬エリブリンの創製」

Melvin J. Yu(Eisai Inc. Distinguished Scientist Eisai Product Creation Systems)
Bruce Littlefield(Eisai Inc. Distinguished Scientist, Oncology Eisai Product Creation Systems)
Francis G. Fang(Eisai Inc. Vice President, Process R&D Division, Pharmaceutical Science & Technology CFU Eisai Product Creation Systems)
田上克也(エーザイプロダクトクリエーションシステムズ・原薬研究部長)
吉松賢太郎(エーザイプロダクトクリエーションシステムズ・シニアサイエンティフィックアドバイザー)

〔受賞理由〕

タキソール、ビンカアルカロイドと異なり、微小管の短縮に影響を与えずに伸長のみを阻害するとともに、チューブリン単量体を微小管形成に関与しない凝集体に変化させるという新規作用機序を有する抗がん薬を見いだしたこと、複雑な構造を有する、海洋天然物由来ハリコンドリンBの部分構造を利用して合成展開し、不斉炭素の数が多く、合成難度が極めて高い化合物を製品化したこと、綿密な立体制御かつ64工程という、極めて難度が高いプロセスコントロールによる原薬製造法を確立したことなど、極めて秀でた創薬研究を展開している。加えて、前治療歴のある転移性乳がん患者の全生存期間を単剤で延長した初の抗がん薬ということもあり、日本では申請から1年、米国では8か月で承認され、現在、世界37か国もの医療に貢献していることから創薬科学賞に極めてふさわしい研究である。

ファルマシア 49巻 6号 534-538頁

付記

本創薬研究では、岸義人ハーバード大学名誉教授の貢献が極めて大きいことから、岸名誉教授が受賞者に含まれないことについて理事会で議論が交わされたが、推薦された5名を授賞者とすることで諒承した。

平成24年度(2012.3.28)

「新規痛風・高尿酸血症治療薬フェブキソスタットの創製研究」

近藤史郎(帝人株式会社近藤研究室・室長)
堀内秀樹(帝人ファーマ株式会社医薬国際事業部グループ統括)
福島久(帝人ファーマ株式会社医薬情報部)
長谷川雅一(グラクソ・スミスクライン株式会社製剤開発部・マネージャー)

〔受賞理由〕

痛風・高尿酸血症薬として約40年ぶりの新薬であり、1日1回低用量で高い有効性を持っている。既存薬とは異なる非プリン型構造を有しており、従来の既存薬に見られる腎毒性が軽減されたことで腎機能障害のある痛風患者への投与を可能にした点で進歩性があり、本創薬研究は創薬科学賞に値する。

ファルマシア 48巻 6号 521-525頁

「フィンゴリモド塩酸塩」

千葉健治(田辺三菱製薬株式会社研究本部プロジェクトマネジメント部・部長)
藤多哲朗(京都大学・名誉教授)
佐々木重夫(三井製糖株式会社開発生産本部商品開発部・部長)
三品正(田辺三菱製薬株式会社研究本部研究管理部・主幹)
安達邦知(田辺三菱製薬株式会社研究本部創薬化学第一研究所第一部・マネージャー)

〔受賞理由〕

冬虫夏草由来の天然物リードを下に産学連携により医薬品に仕上た点は評価に値する。構造変換の難しい天然リード化合物から経口投与可能な世界初の免疫調節薬を創製し、S1P1受容体機能的アンタゴニストという新規作用メカニズムの治療薬の開発に成功した点は、今後のこの領域の創薬研究に大きなインパクトがあり創薬科学賞として十分評価できる。

ファルマシア 48巻 6号 526-530頁

平成23年度(2011.3.28)

「カルバペネム系抗生物質「ドリペネム」の開発研究」

井宗 康悦(塩野義製薬 創薬・疾患研究所 疼痛フロンティア・化学部門長)
西谷 康宏(塩野義製薬 創薬・疾患研究所 アドバイザー)
西野 豊(塩野義製薬 CMC技術研究所 製薬研究センター 主任研究員)

〔受賞理由〕

ドリペネムは1-β-メチルカルバペネムの2位にスルファモイルアミノ基を含む置換基を導入した化合物である。このスルファモイルアミノ基により抗緑膿菌活性が増強され、痙攣誘発作用が減弱された。他のカルバペネム剤と比較してのドリペネムの開発研究の独創性について、また、多剤耐性菌に対する効果を含む活性面での他の薬剤に対する優越性について踏み込んだ議論がなされ、抗緑膿菌作用が現用カルバペネムのなかでは最も強いこと、痙攣誘発作用が弱いことが医薬品価値として評価された。

ファルマシア 47巻 6号 513-518頁

平成22年度(2010.3.27)

「新規メカニズムに基づく難治性そう痒症治療薬塩酸ナルフラフィンの創出」

長瀬 博(北里大薬生命薬化学教室・教授)
内海潤(北海道大学産学連携本部 教授/知的財産部長)
竹下 浩一郎(東レ株式会社医療材臨床開発室 室長)
田中利明(東レ株式会社研究・開発企画部 CR企画室長)
河合孝治(東レ株式会社医薬研究所 研究主幹)

「キノロン系合成抗菌薬:オフロキサシン、レボフロキサシン、シタフロキサシンの創製」

早川 勇夫(第一三共研究開発本部研究開発企画部・フェロー)
新子省吾(第一三共インターナショナル営業部・調査役)
坂野 勝一(第一三共研究開発本部探索第一研・グループ長)
横濱秀一(第一三共研究開発本部研究開発管理部・グループ長)
高橋 寿(第一三共研究開発本部化学第二研・グループ長)

平成21年度(2009.3.25)

「自然睡眠をもたらす新規メラトニン受容体作動薬Ramelteonの創製」

大川 滋紀(武田薬品工業株式会社 医薬研究本部長(取締役))
宮本政臣(武田薬品工業株式会社 医薬開発本部長)
内川 治(武田薬品工業株式会社化学研究所 リサーチ・マネージャー)
深津考司(武田薬品工業株式会社化学研究所 主席研究員)
加藤 浩紀(武田薬品工業株式会社研究戦略部 主席部員)

平成20年度(2008.3.25)

「抗アレルギー薬塩酸オロパタジンの創製」

大島 悦男(協和発酵工業株式会社医薬研究センター・センター長)
大森健守(横浜薬科大学・教授)
小場瀬 宏之(エムバイオテック株式会社・監査役)

「新規AT1受容体拮抗薬オルメサルタンメドキソミルの創製」

柳澤 宏明(第一三共株式会社研究開発本部・フェロー)
小池博之(第一三共株式会社研究開発本部・フェロー)
藤本 光一(第一三共ビジネスアソシエ株式会社・取締役管理部長)
佐田登志夫(第一三共株式会社生物医学第一研究所・グループ長)
雨宮 由哉(第一三共株式会社研究開発企画部・グループ長)

平成19年度(2007.3.26)

「新規統合失調症薬aripiprazoleの創製」

大城 靖男(大塚製薬株式会社・顧問)
菊地哲朗(大塚製薬株式会社・探索第二研究所フェロー)
檜山 隆司(大塚製薬株式会社・薬事部顧問)
間宮教之(大塚製薬株式会社・応用開発部CNSサブリーダー)
佐藤誠司(大塚製薬株式会社・研究員)

「トシリズマブ(ヒト化抗ヒトIL-6受容体抗体)の研究開発」

大杉 義征(中外製薬株式会社・MRAユニット部長)
岸本 忠三(大阪大学大学院生命機能研究科・教授)
土屋 政幸(中外製薬株式会社・経営企画部長)

平成18年度(2006.3.27)

「Rho キナーゼ阻害剤エリルの創薬」

曽根 孝範(旭化成ファーマ・総括製造販売責任者
信頼性保証部長)
浅野敏雄(旭化成ファーマ・執行役員医薬製品戦略部長)

「レチノイドの医薬化学研究とタミバロテンの創製」

首藤 紘一(乙卯研・所長)
橋本祐一(東大分生研・教授)
影近 弘之(東京医科歯科大院疾患生命科学研・教授)
小林 洋一(東光薬品工業・代表取締役社長)
大野 竜三(愛知県がんセ・名誉総長、愛知淑徳大医療福祉・教授)

平成17年度

該当者なし

平成16年度(2004.3.28)

「リポペプチド系抗真菌剤Micafunginの創製」

大木 秀徳(藤沢薬品研究本部化学研・化学研究3担当)
冨島 昌紀(藤沢薬品研究本部化学研・化学研究3担当)
高杉 寿(藤沢薬品研究本部化学研・化学研究1担当)
牧 克之(藤沢薬品研究本部薬理研・感染症担当)
池田文昭(藤沢薬品研究本部薬理研・感染症担当)

平成15年度(2003.3.26)

「フリーラジカル消去作用を有する脳保護剤エダラボンの開発」

渡辺 俊明(三菱ウェルファーマ営業本部・課長)
戸部昭広(三菱ウェルファーマ・常務執行役員創薬本部長)
渡辺 和俊(三菱ウェルファーマ創薬本部・主任研究員)
高松康雄(三菱ウェルファーマ創薬本部・グループマネジャー)
田中 正彦(三菱ウェルファーマ創薬本部・部長)

平成14年度(2002.3.25)

「インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾンの創製」

左右田 隆(武田薬工医薬研・室長)
川松豊(千寿製薬・顧問)
藤田 剛(大阪産業振興機構・コーディネーター)
目黒 寛司(浜理薬品・常務取締役)
池田 衡(武田薬工医薬研・リサーチフェロー)

平成13年度(2001.3.27)

「新規経口性ペネムβ-ラクタム抗菌薬:ファロムの創製」

石黒 正路(サントリー生有研・部長研究員)
西原達郎(サントリー生医研・取締役)
田中 里枝(サントリー生有研・研究員)

「気管支喘息治療薬ツロブテロールの経皮吸収型製剤の開発」

加藤 日出男(北陸製薬・専務取締役営業本部長)
永田治(北陸製薬・取締役研究統括部長)
山﨑 昌弘(北陸製薬・生産本部副部長)
鈴木利広(北陸製薬・開発統括部長)
仲野 善久(日東電工研究開発セ・グループ長)

平成12年度(2000.3.28)

「抗血小板剤シロスタゾールの研究開発」

西 孝夫(大塚製薬徳島第二工場医薬生産部・室長)
木村征夫(大塚製薬血栓血管研・所長)
中川 量之(大塚製薬研究部門・常勤顧問)

「アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬カンデサルタンシレキセチルの創製」

仲 建彦(武田薬工創薬研Ⅱ・所長)
久保惠司(武田薬工創薬研Ⅱ・主席研究員)
西川 浩平(日本製薬研・取締役)
稲田義行(武田薬工開拓第三研・主席研究員)
古川 純康(鹿児島工大・教授)

平成11年度(1999.3.29)

「抗癌剤カペシタビンの研究開発」

石塚 秀夫(日本ロシュ研・抗癌剤研究グループチーフ)
新間信夫(日本ロシュ研・医薬品合成化学部部長)
堀井 郁夫(日本ロシュ研・前臨床科学部部長)

平成10年度(1998.3.31)

「トロンボキサンA2受容体拮抗薬-セラトロダストの創製研究」

寺尾 秦次(武田薬工創薬研・理事・主席研究員)
白石充(武田薬工創薬研創薬二研・主席研究員)
蘆田 康子(武田薬工創薬研創薬一研・リサーチマネージャー)
松本辰美(武田薬工創薬研創薬一研・主任研究員)

「アルツハイマー型痴呆治療薬塩酸ドネペジルの創製」

杉本 八郎(エーザイ筑波探索研・副所長)
山西嘉春(エーザイプレクリニカル研室長)
飯村 洋一(エーザイ筑波探索研・主幹研究員)
小倉博雄(エーザイ筑波探索研・主幹研究員)
山津 清實(エーザイ国際薬事品質担当付部長)

平成9年度(1997.3.26)

「新規免疫抑制剤タクロリムス水和物の研究開発」

田中 洋和(藤沢薬品新薬研・所長)
中原邦夫(藤沢薬品臨床薬理室・室長)
畑中 洋(藤沢薬品探索研・主任研究員)
稲村典昭(藤沢薬品探索臨床部・主査)
黒田 昭雄(藤沢薬品探索研・主任)

「安定PGI2誘導体ベラプロストナトリウムの開発」

西尾 伸太郎(東レ基礎研・副所長)
長瀬博(東レ基礎研創薬研・室長)
加納 寛二(東レ医薬臨床開発第1部長)
青木 茂(東レ医薬臨床開発第2部長)
神林 義憲(科研製薬・開発1部長)

平成8年度(1996.3.27)

「新規抗てんかん薬ゾニサミドの開発研究」

清水 當尚(大日本製薬・取締役副会長)
宇野準(大日本製薬・医薬学術情報審議役)
伊藤 継孝(大日本製薬開発研毒性薬理研・部長)
増田義信(大日本製薬創薬第1研薬理第1研・主任研究員)
黒川 美貴雄(大日本製薬創薬第2研化学第2研・主任研究員)

平成7年度(1995.3.29)

「前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬塩酸タムスロシンの開発研究」

竹中 登一(山之内製薬・創薬研究本部長)
藤倉峻(山之内製薬創薬研第三創薬研・所長)
本田 一男(山之内製薬創薬研創薬資源研・主管研究員)
浅野雅晴(山之内製薬開発研臨床薬理研・主管研究員)
新形 邦宏(山之内製薬創薬研第三創薬研・主席研究員)

平成6年度(1994.3.29)

「L-スレオードプスの医薬品開発」

楢林 博太郎(楢林神経内科クリニック・院長)
林昭(大阪母子医療セ・企画調査部長)
田中 千賀子(神戸大医・教授)
勝部純基(住友製薬・医薬開発本部長)
鈴木 友和(九大生体防医研・教授)

「TX合成酵素阻害薬オザグレルの開発研究」

中澤 政之(キッセイ薬品研究開発本部・部長)
飯塚欣二(キッセイ薬品創製品研・所長)
氏家 新生(キッセイ薬品創製品研・副所長)
平工誠治(小野薬工薬物動態研・所長)
大木 史郎(小野薬工臨床開発一部・部長)

平成5年度(1993.3.29)

「セフェム系経口剤「セフィキシム」および「セフジニル」の研究開発」

高谷 隆男(藤沢薬品研究本部・副本部長)
坂根和夫(藤沢薬品新薬研・主席研究員)
川端 浩二(藤沢薬品新薬研・主任研究員)
稲本美子(藤沢薬品新薬研・研究員)
山中 秀昭(藤沢薬品新薬研・主任研究員)

「医薬品インターフェロン-βの開発」

小林 茂保(バイオマテリアル研・常務理事)
成瀬紀男(東レ薬事医薬情報部・部長)
加納 寛二(東レ医薬臨床開発部・部長)
山崎徹(東レ三島工場・医薬製造部長)
千徳 光彦(第一製薬臨床開発部・理事)

平成4年度(1992.3.29)

「クラリスロマイシンの開発研究」

大村 貞文(大正製薬総研・医薬開発研究部長)
森本繁夫(大正製薬総研・次席研究員)
長手 尊俊(大正製薬総研・次席研究員)
安達孝(大正製薬総研・主任研究員)
河野喜郎(大正製薬総研・主任研究員)

「プロスタグランジン類の開発研究」

坪島 正巳(小野薬工・専務取締役)
川崎晃義(小野薬工・研究本部長)
松本 公一郎(小野薬工・開発本部長)
新井 義信(小野薬工・研究推進部長)
若塚 弘久(小野薬工水無研・化学技術研究部門長)

平成3年度(1991.3.28)

「プラバスタチンの開発研究」

岸田 有吉(三共・常務)
内藤敦(三共・田無工場長)
岩藤 誠吾(三共醗酵研・次長)
寺原 昭(三共医薬開発第二部・次長)
辻田 代史雄(三共醗酵研・室長)

「酢酸リュ-プロレリン徐放性製剤」

戸口 始(武田薬工製剤研・所長)
小川泰亮(武田薬工製剤研・主席研究員)
岡田 弘晃(武田薬工製剤研・主任研究員)
山本眞樹(武田薬工製剤研・主任研究員)

平成2年度(1990.8.21)

「オキサセフェム系抗生物質の開発研究」

永田 亘(塩野義製薬研・顧問)
成定昌幸(塩野義製薬研・取締役)
吉岡 美鶴(塩野義製薬試製・部長)
吉田 正(塩野義製薬研・部長)
尾上 弘(塩野義製薬研・次長)

「ハプテンの免疫化学的測定試薬の開発」

持田 英(持田製薬・会長)
小川信久(持田製薬・常務)
新海 弘之(サール薬品・開発部長)
工藤 隆(持田製薬・試薬開発マネージャー)

平成元年度(1989.4.4)

該当なし

昭和63年度(1988.4.4)

「塩酸ジルチアゼム」

阿部 久二(元田辺製薬・顧問)
井上博純(田辺製薬有機研・主任研究員)
長尾拓(田辺製薬生物研・主任研究員)