薬学用語解説
全身性エリテマトーデス
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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膠原病の中の代表的疾患であり、若い女性に多く、再発・寛解をくり返す全身性(特に関節、腎臓、粘膜、血管壁)に起こる慢性の炎症性疾患である。多種類の自己抗体とくに抗核抗体が検出される特徴があり、難病の代表的な疾患の一つである。多くの臓器が障害されるので、臨床像は多彩であり、症状には、発熱、皮膚症状(顔面の蝶形紅斑、日光過敏)、関節症状(多発性関節炎)、腎症状(蛋白尿、血尿、円柱尿、ネフローゼ症候群)、精神神経症状(錯乱、幻覚、妄想、抑うつ)、呼吸器症状(胸膜炎、びまん性間質性肺炎)、心症状(心外膜炎、心内膜炎、冠動脈病変)、眼底変化(網膜の円形白斑)がある。治療薬には副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロン)、免疫抑制薬のアザチオプリンとシクロスポリン、抗Bリンパ球刺激因子抗体のベリムマブ、免疫調節薬のヒドロキシクロロキンなどがある。その他、免疫抑制薬のタクロリムス、ミゾリビン、ミコフェノール酸モフェチルが腎症状(ループス腎炎)に適用される。