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薬学用語解説

血液脳関門

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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薬物の血中から脳内への移行を制限する機能。アミノ酸やグルコースなどの神経活動のエネルギー源となる栄養素は脳内に選択的に輸送されるが、多くの物質は脳内に自由に入るわけではない。BBBは解剖学的には脳毛細血管で内皮細胞同士の密着結合(tight junction)と、グリア細胞により形成されている。水溶性の高い物質あるいはタンパク質などの大きな分子はこの関門を透過し難いが、脳毛細血管に発現している多くのトランスポーターによって、栄養素(グルコース、アミノ酸、ヌクレオチドなど)は選択的に血液脳関門を透過する。また、脳毛細血管内皮細胞に発現するP糖タンパク質などの排泄トランスポーターが、内皮細胞内に入った毒物・薬物を血中へ戻すことにより脳内への侵入を妨げていることが知られている。