薬学用語解説
薬物受容体
薬物レセプター
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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薬物に対して親和性が高く、薬物と結合することにより作用発現をもたらす生体高分子。神経伝達物質やホルモンなどの生理活性物質が結合し各種の生理機能を果たしている場合、狭義の受容体を想定しているが、その他の重要な薬物標的タンパク質である酵素、イオンチャネルや輸送体(トランスポーター)も広義の受容体と呼ぶこともある。ある受容体と結合し効果を表す薬物を作動薬(アゴニスト)と呼ぶ。作動薬が狭義の受容体に結合することにより、細胞の反応を生じさせるまでのプロセスを細胞内情報伝達機構と呼ぶ。一般に横軸に用量(対数)、縦軸に反応の大きさをプロットするとシグモイド(S字状)曲線が得られる(用量作用曲線あるいは用量反応曲線)。代表的な薬物受容体としてアセチルコリン受容体、アドレナリン受容体、ヒスタミン受容体、セロトニン受容体、ドパミン受容体、GABA受容体、オピオイド受容体、アンギオテンシン2受容体(アンギオテンシンII受容体)、エンドセリン受容体、プロスタグランジン受容体などがある。これらの受容体にはまた多くのサブタイプが知られている。