薬学用語解説
アレルギー
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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防御的であるはずの免疫反応が生体に不利に働くときアレルギーと呼び、 I~IV型に分類されている。I型アレルギーは即時型アレルギーとも呼ばれ、IgE依存的な反応である。マスト細胞および好塩基球に付着したIgE抗体が対応する抗原(アレルゲン)と反応することにより、これらの細胞から遊離される化学伝達物質(ケミカルメディエーター)によって起る生体反応である。II型アレルギーは、細胞毒性型または細胞融解型アレルギーである。自己の細胞成分に対する抗体が標的細胞に結合し、補体により標的細胞を溶解させたり、あるいは抗体依存的なキラー細胞の働きにより標的細胞の障害(ADCC)をおこす反応である。III型アレルギーは免疫複合体による組織障害で、抗原抗体複合体による補体の活性化、あるいは多形核白血球の集積による組織障害を起す反応である。IV型アレルギーは遅延型アレルギー、細胞免疫型アレルギーとも呼ばれ、抗原に感作されたTリンパ球とそこから分泌されるサイトカインによって集積したマクロファージが炎症を引き起す反応である。