薬学用語解説
副腎皮質ホルモン
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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副腎皮質ホルモンは電解質(Na+、K+など)のバランス、糖代謝、脂質代謝、蛋白同化作用、蛋白同化抑制作用、血液凝固促進作用、下垂体抑制作用など多くの生理作用を有し,生命の維持に欠かせない。副腎皮質の「球状層」から分泌されるアルドステロン、「束状層」から分泌されるコルチゾール、「網状層」から分泌されるアンドロゲンが含まれる。アルドステロンは血漿中のNa、血圧、血液量の調節を行い鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)という。 コルチゾール系列のホルモンでは糖代謝などに影響を与え、糖質コルチコイド(グルココルチコイド)と呼ばれている。アンドロゲンは 男性ホルモンであり、タンパク同化作用も併せ持つ。ただし糖質コルチコイドであっても鉱質コルチコイドのような塩類代謝作用を弱いながらも持ち、機能による分類は一応の目安である。 副腎皮質ホルモンは、いずれも、コレステロールと17-α水酸化酵素から、種々の酵素の働きを経て生合成される。治療薬として用いられる「ステロイド」あるいは「副腎皮質ステロイド」は、多くの場合は糖質コルチコイドである。