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薬学用語解説

気管支ぜん息
ぜん息/喘息

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

発作性の呼吸困難、ぜい鳴を示す気道の慢性炎症であり、広範かつ種々の程度の気道閉塞と気道炎症により特徴づけられる。多くの患者にIgE抗体産生の亢進がみられる。気道炎症にはTh2リンパ球、好酸球、マスト細胞など多くの炎症細胞が関与しており、気道粘膜上皮の損傷、気道過敏症がみられる。気管支ぜん息の頻度は、成人で約3%、学齢期小児で5~7%とされる。気管支ぜん息は、アトピー型と非アトピー型の2型に分類できるが、アトピー型は多く小児期に発症し、環境抗原(ダニ抗原など)に対するIgE抗体を有する。非アトピー型は、病因となるIgE抗体のはみられないものである。ぜん息発作の気道閉塞の機序としては、気管支平滑筋の収縮、気道粘膜の浮腫、気道内の分泌亢進などによる。その誘発原因として、病因アレルゲン曝露によるI型アレルギーが重要であるが、そのほか、冷気、粉じんなど物理化学的刺激、心理的要因、運動、アスピリンの服用などでも起りうる。治療法としては、悪化原因の回避、減感作療法がある。悪化の予防には、吸入・経口ステロイド薬、抗アレルギー薬、気道閉塞には気管支拡張薬(β2刺激薬)を用いる。