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薬学用語解説

前立腺肥大症

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

尿道付近の前立腺組織が肥大して尿道を圧迫するために起こり、排尿障害をもたらす。悪性腫瘍とは異なり良性の細胞増殖を背景とするが、尿閉にいたることもある。40・50代で症状が出始め60歳を過ぎると、半数以上の人が夜間頻尿と放尿力低下を訴え、65歳前後で治療を開始する人が多くなる。80歳までには80%の男性が前立腺肥大症になるとみられている。治療には薬物療法(保存的治療)としてアドレナリンα1受容体拮抗薬(タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル、テラゾシンなど)、5型ホスホジエステラーゼ阻害薬 (タダラフィル)、抗アンドロゲン薬(クロルマジノン、ゲストノロン)、5α-還元酵素阻害薬 (デュタステリド) がある。重症になると手術を行う。