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薬学用語解説

尿糖

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

尿中に排泄されたブドウ糖(グルコース)。血中のブドウ糖は、腎臓の糸球体基底膜を自由に通過して糸球体濾液に移行した後、尿細管から再吸収される。腎尿細管での再吸収能は約350 mg/分であり、糖排出閾値(160 mg/dL)を規定している。健常人では、糸球体濾液中のグルコースはほとんど再吸収され、尿糖値は2 - 20mg/dL、定性検査では陰性となる。糖尿病で血糖値がこの値を超えた場合や、腎尿細管のグルコース再吸収能力が低下(=腎の糖排出閾値が低下)した場合に糖が尿中に排泄される。なお、糖尿病の診断は血糖値(早朝空腹時血糖値など)、糖負荷試験(OGTT)などに基づいて行われ、尿糖値自体は糖尿病の診断には直結しない。