薬学用語解説
浸透圧利尿薬
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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尿細管内の浸透圧を高く保つことによって、水の再吸収を抑制し尿量を増加させる薬物。血漿は腎臓の糸球体でろ過されて原尿となり、原尿は尿細管を通過する過程でNa+、水の再吸収により濃縮される。尿細管ではNa+の再吸収に伴い水が受動的に尿細管管腔側から血管側へ移動し、管腔内の浸透圧は保たれる。浸透圧利尿薬は、糸球体でろ過されて原尿中に排出されるが、腎尿細管で再吸収されない。そのため管腔内の浸透圧の上昇により、水・Na+の再吸収を抑制して尿量を増加させる。浸透圧利尿薬にはD-マンニトール、グリセリン、イソソルビドがあり、腎不全の予防、脳浮腫・脳圧/眼圧の亢進の治療などに適用される。