menu

薬学用語解説

糖尿病性神経障害

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

糖尿病性神経障害とは、糖尿病の高血糖状態が長く続いたために起こる末梢神経の障害であり、手足のしびれ、痛み、知覚鈍麻が起こる。糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症とならんで糖尿病の3大合併症の一つである。症状が多方面にあらわれる多発性神経障害であり、長い神経線維に支配された部位(手や足先の神経)から障害が起こる。はじめは手足のしびれや痛み、異常な冷感があり、放置すると症状は進行し、足先から膝へ、手先から肘へと、からだの中心に向かって広がっていく。手足のしびれや痛みのための不眠なども起こる。また火傷や靴ずれに気がつかず放置して細菌感染をおこし、その部分の組織が壊疽(えそ)に発展して、足の切断をすることになる場合もある。持続的高血糖による神経へのソルビトール蓄積、神経に栄養を供給する毛細血管の障害などが発症原因と考えられている。