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薬学用語解説

アスピリン
アセチルサリチル酸

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

代表的な非ステロイド抗炎症薬(NSAID)であり、解熱鎮痛抗炎症薬として長く使用されてきた。プロスタグランジン合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ分子内のセリン残基のヒドロキシル基をアセチル化して不可逆的に阻害し、起炎性のエイコサノイド産生を抑制する。心筋梗塞や脳卒中を導く血栓の形成を阻害する薬としてアスピリンが有用なのは、シクロオキシゲナーゼ活性を阻害し血小板凝集活性の強いトロンボキサンA2の前駆体であるプロスタグランジンG2やプロスタグランジンH2の産生を抑制するためである。アスピリン服用の副作用としては胃潰瘍やぜん息(アスピリンぜん息)がある。歯痛、関節痛、腰痛症、筋肉痛、痛風による痛み、頭痛、月経痛などに効能がある。