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薬学用語解説

迂回回

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

側頭葉内側面と表現される解剖学的部位の中では、最も吻側(前側)に位置している。側頭葉・扁桃核移行部の脳回で、前部嗅内野とも呼ばれる。嗜銀顆粒性認知症では、この迂回回および扁桃核に嗜銀顆粒という病理学的構造物が最初に凝集し始める(ステージ1)。その後、海馬、海馬台に進展し(ステージ2)、島回、前部帯状回および眼窩前頭皮質(ステージ3)、最終的には新皮質に広がる(ステージ4)が、進展の範囲と認知症の出現時期がほぼ一致していることが知られている。重複病理がなく、純粋な嗜銀顆粒性認知症である場合は、ステージ2までは認知症は明らかではなく、ステージ3以降で認知機能障害が明らかになってくる。