menu

薬学用語解説

治験

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

人に用いられる医薬品や医療機器等は最終的に人において有効性と安全性が立証されなければならない。これらのデータを収集し承認申請を行うことを目的とする臨床試験のことを治験と呼ぶ。臨床試験は、安全性と有効性を確かめながら段階的に進められ、その進行に合わせて四つの相(第I相〜第IV相)に分類される。健常人(ボランティア)による安全性や体内動態を中心に調べる臨床薬理試験(第I相)、小数の患者により安全性を確認しつつ有効性を検討する探索的臨床試験(第II相)、それまでに得られた有効性・安全性を大勢の患者によって確認する検証的試験(第III相)に分類され、通常この順番で展開される。また、市販後に行う市販後臨床試験(第IV相)は、承認された適応、用法・用量の範囲内で行うため、治療的使用に分類され、有効性と安全性にかかわるさらなる情報の収集を目的とする。承認を取得するための臨床試験を治験というのに対し、承認取得後の市販後臨床試験は治験とは言わない。