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薬学用語解説

心不全

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

収縮機能の低下により、心臓が身体組織の需要に見合う十分な血液を拍出できない状態。心疾患の最終像である。低心拍出量、肺うっ血、全身うっ血の症状が生じる。心臓の機能不全が急激に生じる急性心不全では、緊急の対応的処置としてカテコールアミン(ドパミン、ドブタミンなど)、Ⅲ型ホスホジエステラーゼ阻害薬(オルプリノンなど)、α型ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP: カルペリチド)などが用いられる。徐々に心機能不全が生じた慢性心不全では、収縮力を増強する強心薬(ジギタリス製剤;強心配糖体)の他に、心臓の負荷を軽減する利尿薬、抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(エナラプリル、リシノプリル)、アンギオテンシンII受容体拮抗薬(カンデサルタンシレキセチル)、アドレナリンβ遮断薬(ビソプロロール、カルベジロール)などが用いられる。