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薬学用語解説

心筋虚血

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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心筋虚血は冠状動脈の狭窄、閉塞に由来する狭心症や心筋梗塞の病態そのものである。心筋細胞は出生後、分化増殖せず負荷の増加には細胞肥大などで対応する。細胞を大切に長持ちさせねばならない。一方、心臓はポンプとしてエネルギー消費が大きく、心室筋にミトコンドリアが極めて多いのが特徴で、休みないO2供給が必須である。近年、冠状動脈造影、バイパス手術、PTCA(経皮的冠状動脈形成術:percutaneous transluminal coronary angioplasty)、ステントなど非薬物的治療介入が日常的に行われ、短時間虚血再灌流の研究は大いに進歩した。短時間虚血では心筋細胞に保護のスイッチが入り、アデノシン、カリウムチャネル、活性酸素、ミトコンドリアの関与が明らかにされてきた。