薬学用語解説
刷子縁膜と側底膜
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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小腸などにある上皮細胞では、管腔側、血管側、隣接細胞側の細胞膜が、それぞれ頂端膜、基底膜、側膜と称される。これらには、形態および機能の面で差異(極性)があるが、体内側に当たる基底膜と側膜は類似した特性を有するため、一括して側底膜と称される。小腸および腎臓(尿細管)の上皮細胞の頂端膜は,刷子縁膜とも呼ばれる。これは、微柔毛(微細な突起構造)が発達し、刷子(はけ)で縁取られたような形態を呈するためである。物質輸送の面では、各膜で機能するトランスポーターの種類に差異があることで、それぞれに特有の基質特異的な方向性の輸送が可能となり、また細胞を通過しての吸収方向および分泌方向の輸送が可能となっている。