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薬学用語解説

低分子抗体

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

抗体IgG分子から、プロテアーゼ分解あるいは遺伝子工学的に作製した部分断片のみの抗体。代表的な低分子抗体として、Fab、一本鎖抗体(single chain antibody:scFv)、diabodyなどが挙げられる。FabはH鎖とL鎖がジスルフィド結合した分子で、分子量約60kDa.scFvは、H鎖とL鎖の可変領域のみを短いリンカーで連結させたもので、分子量約30kDa.Diabodyは、このリンカーの長さを調節することにより2分子のscFvが共有結合により会合した分子であり、2つの抗原結合部位を持つ。低分子抗体のメリットの1つは、大腸菌や酵母発現系を用いて低コストで生産が期待できるという点である。