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薬学用語解説

HMG-CoA還元酵素阻害薬
スタチン

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

脂質異常症治療薬の一つ。コレステロール生合成系の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を競合的に阻害することにより、肝細胞内コレステロールプールの減少、肝細胞膜上LDLレセプター数の増加が起こり、血中LDL-コレステロールレベルが低下する。作用機序の異なる脂質異常症治療薬であるフィブラート系薬との併用により横紋筋融解症が現れることがある。スタンダードスタチンに分類されるプラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、より作用の強力なストロングスタチンに分類されるアトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチンがある。シンバスタチンやアトルバスタチンはCYP3A4により代謝されるため、本酵素の活性を変動させる医薬品や食品との相互作用に注意する。欧米での大規模介入試験により、HMG-CoA還元酵素阻害薬が虚血性心疾患および総死亡率を低下させることが証明されている。