薬学用語解説
高尿酸血症
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会
血清尿酸値が7.0 mg/dLを超える場合高尿酸血症となる。日本人の男性では約20%、閉経後の女性で3-5%に認められる。高尿酸血症で尿酸が血液中に溶けきれなくなると、結晶化して関節や腎臓に蓄積し炎症を起こす(痛風)。高尿酸血症の原因は、多くは体質的素因や遺伝子異常に加え、食生活に影響されると考えられている。高尿酸血症は尿酸産生過剰型(肝臓で尿酸が過剰に産生されるタイプ)と尿酸排泄低下型(腎臓で尿酸が排泄されにくいタイプ)と混合型(尿酸産生過剰型+尿酸排泄低下型)の3つのタイプに分類される。尿酸排泄低下型が約60%を占め、尿酸産生過剰型が10%で、混合型が30%程度である。高尿酸血症の治療薬として尿酸排泄促進薬と尿酸生成抑制薬がある。尿酸排泄促進薬は主に尿細管での尿酸の再吸収を阻害して作用を発揮する。ベンズブロマロン、プロベネシド、ブコローム、ドチヌラドがある。尿酸生成抑制薬はプリン代謝の最終段階であるキサンチンオキシダーゼを阻害するアロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットがある。痛風発作時には、非ステロイド性消炎鎮痛薬により炎症を抑え、その後、生活習慣の改善に加え、尿酸産生抑制薬や尿酸排泄促進薬による治療を行う。