薬学用語解説
心筋梗塞
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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冠状動脈の狭窄部位における粥腫が破裂して血栓性閉塞をきたし、血流が途絶しおこる不可逆的な心筋壊死状態。激烈な胸痛が30分以上持続する。進行に伴い数時間以内にショックをきたす場合もある。欧米各国に比べると、日本では虚血性心臓疾患は少ないが、高齢者人口の増加につれて患者数は増えつづけ、3大死因の1つになっている。発症数は年間約15万人で、そのうち30%の方が死亡している。心筋からクレアチンキナーゼ(CK)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)が逸脱酵素として血中に放出される。発症とともに心電図ではSTの上昇が起こる。急性心筋梗塞発症6時間以内であれば拘束部位の再開を目的に血栓溶解剤が用いられる。