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薬学用語解説

家族性アミロイドポリニューロパチー

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

トランスサイレチン(transthyretin:TTR)、アポタンパク質AI、ゲルソリンなどのタンパク質の遺伝子変異により、種々の臓器・組織にアミロイド沈着を来す遺伝性アミロイドーシスである。中でも、TTRの30番目のアミノ酸であるバリンがメチオニンに変異したアミロイド原性TTR(Val30Met)型を原因タンパク質とするFAPは最も患者数が多い。本症は、末梢性感覚障害を初発とすることが多く、自律神経障害、消化器症状、心臓、腎臓および眼などの臓器障害を主症状とする。日本、スウェーデン、ポルトガルに世界的な集積地があり、国内においては、熊本、長野、石川に患者の大きな集積地がある。TTR型FAPに対してタファミジスメグルミンとパチシランナトリウムが、またFAPに伴う起立性低血圧、失神、立ちくらみに対してドロキシドパが治療薬として承認されている。