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薬学用語解説

グレープフルーツ

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

医薬品と食品との相互作用に関してもっとも研究されている食品の一つ。グレープフルーツジュースの成分が薬物代謝酵素のCYP3A4を阻害することから、CYP3A4で代謝される医薬品を使用する際には血中濃度が上昇して、副作用が起こりやすくなる可能性がある。ニフェジピンやフェロジピンなどのカルシウム拮抗薬をグレープフルーツジュースで服用すると、それら薬剤の最大血中濃度や血中濃度-時間曲線下面積が増加し、作用が増強される。オレンジジュースではこのような作用はみられない。カルシウム拮抗薬による過度の血圧低下、シクロスポリンによる腎機能障害等には十分な注意が必要である。CYP3A4阻害作用の原因化合物としては、グレープフルーツの苦味成分であるナリンジンやそのアグリコンのナリンゲニンが候補物質として考えられている。