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薬学用語解説

インスリン抵抗性

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

インスリンの標的臓器(骨格筋、脂肪組織、肝臓)において、その作用効率が低下している状態。近年、肥満が基盤となって、全身のインスリン抵抗性が惹起され、糖尿病、高脂血症、高血圧の発症につながり、これらがリスクファクター群となって動脈硬化性心疾患を引き起こしていることが明らかとなった。このような状態は、インスリン抵抗性症候群、マルティプルリスクファクター症候群、あるいはメタポリックシンドロームとして概念づけられている。肥満が全身のインスリン抵抗性を惹起させるメカニズムはすべてが明らかにはされていないが、肥大脂肪細胞より多く分泌される遊離脂肪酸、TNF-α、逆に肥大脂肪細胞からその産生低下の起こるアディポネクチンなどの、アディポサイトカイン産生異常が深く関わると考えられている。