薬学用語解説
インスリノーマ
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
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インスリノーマは膵島β細胞由来の腫瘍で、腫瘍から自律的過剰に分泌されたインスリンによる低血糖症状が起こり、痙攣や昏睡などの中枢神経症状が生じる。また、血糖低下によりカテコールアミンが放出されるので発汗、皮膚蒼白、動悸などの自律神経症状がみられる。症状は一般に空腹時にみられるので、これを防ぐために過食となり肥満となる場合がある。治療は腫瘍の外科的切除が原則であるが、完全に切除できない場合、インスリン分泌抑制のため抗ホルモン薬diazoxideやソマトスタチン誘導体酢酸オクトレオチドの薬物治療が行われる。悪性腫瘍の場合は、Streptozotocinやフルオロウラシル(5-FU)が用いられる。