薬学用語解説
アンフェタミン
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
薬理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会
「覚せい剤取締法」で規制を受ける覚せい剤に指定されている。 d体はl体より3~4倍力価が高く、デキストロアンフェタミンと呼ばれる。欧米では覚せい剤としてアンフェタミンが乱用される。間接型アドレナリン作動薬であり、ノルアドレナリンやドパミンの遊離の促進、再取込み阻害作用とモノアミンオキシダーゼ(MAO)阻害作用によるシナプスでのカテコールアミン濃度上昇により、交感神経刺激作用と中枢興奮作用を発現する。中枢興奮作用は交感神経刺激作用より低濃度で現れ、持続時間も長い。アンフェタミンに-CH3がついたメタンフェタミンは特に強い中枢興奮作用があり、ヒロポンと呼ばれ、同じく覚醒剤として指定されている。メタンフェタミンは生体内で脱メチル化されアンフェタミンとなる。生体試料からのメタンフェタミンとアンフェタミンの両者が検出されたときはメタンフェタミン摂取の確証となる。毛髪中に検出される。アンフェタミン硫酸塩の経口摂取による有効量は3~5mg、中毒量は50~200mgである。