薬学用語解説
徐放性製剤
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
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放出制御製剤のひとつ。製剤からの有効成分の放出を遅くすることにより、服用回数を減らし、血中の有効成分濃度を一定に長時間保つことにより、副作用を回避する。最もよく用いられているのが、経口投与製剤であるが、これは形態からシングルユニット型とマルチプルユニット型に分類される。シングルユニット型の多くは、消化管内で投与剤形が保たれたまま徐々に薬物を放出する。ワックスマトリックス型、グラデュメット型、レペタブ型、ロンタブ型、スパンタブ型などがある。マルチプルユニット型では、投与された錠剤やカプセル剤が速やかに崩壊して顆粒を放出し、放出された顆粒が徐放性を示す。スパスタブ型、スパンスル型、顆粒型などがある。また、放出制御機構からは、リザーバー型とマトリックス型に分けられる。リザーバー型は薬物を含有する錠剤または顆粒を高分子皮膜でコーティングしたものであり、薬物の放出速度はこの皮膜の性質や厚さで決まる。レペタブ型、スパスタブ型、スパンスル型、顆粒型が属する。マトリックス型は、薬物を高分子やワックスなどの基剤中に分散させたもので、薬物分子のマトリックス内の拡散速度により放出速度は決まる。ワックスマトリックス型、グラデュメット型、ロンタブ型、スパンタブ型などが属する。