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薬学用語解説

時限放出型製剤

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

放出制御製剤のひとつ。ヒトの生理機能や病状は日内で周期的に変動しており、この日内変動を考慮した治療法(時間薬物治療学)が重要になってきている。例えば、気管支喘息発作は明け方に増悪する場合が多く、この時間に薬が効くことが望まれる。このような場合に効果を発揮するのが、時限放出型製剤である。この製剤の特徴は、服用後一定時間が経過してから速やかに薬物を放出することにあり、薬物投与が必要な時間帯のみに薬効を発現させることで、治療効果の向上、副作用の軽減や薬物耐性の発現抑制が図られる。例えば、就寝前あるいは夕食後に服用すると明け方にテオフィリンが放出され、喘息発作を抑える製剤が臨床上で用いられている。また、消化管内での移動時間を考え、大腸などの特定の部位での放出と薬効発現を目標とした製剤も開発されている。