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薬学用語解説

確定的影響

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

放射線の生体影響は、放射線防護の観点から確定的影響と確率的影響に分けられる。一定の放射線量以下では臨床的所見は認められないとされる影響を確定的影響という。また、生体影響がみられる最低の放射能レベルをしきい値という。皮膚の紅斑、脱毛、白血球の減少など、放射線による急性障害のすべてと、晩発性障害のうちの白内障が、確定的影響に含まれる。確定的影響は、被曝線量の増加とともに生体影響の重篤度が増大する。確定的影響において、急性放射線障害のしきい値は200~250 mSv以上と考えられており、低線量レベル(200 mSv以下)での放射線被曝が急性障害を引き起こす可能性は極めて低い。