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薬学用語解説

経皮吸収型製剤

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

皮膚に密着させて用いる製剤であるが、皮下の血管から血液に取り込まれることにより、皮膚やその近くの組織ではなく全身への作用を期待する。狭心症に用いるニトログリセリンや硝酸イソソルビド、更年期障害に用いるエストラジオール、また、癌性疼痛時に用いるフェンタニル製剤があげられる。これらは製剤側での放出制御または皮膚の透過速度が一定であることを利用し、①長時間にわたって血中濃度を一定に維持することができる、②肝臓での初回通過効果を回避できる、③経口投与ができない患者にも容易に適用できる、といった利点がある。しかし、薬物の皮膚透過速度は一般に遅く、現在のところ適用できる薬物が限られている。