薬学用語解説
磁気共鳴画像法
MRI/核磁気共鳴イメージング
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
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磁気共鳴イメージング(magnetic resonance imaging)の略。静磁場中で生体に含まれる水分子の水素原子核に、FM帯の電波(ラジオ波)を加えることで共鳴させ、その信号から断層画像を作成する画像診断法の一種で、原理は構造解析などに使用される核磁気共鳴法(nuclear magnetic resonance:NMR)と同一である。電離放射線を使用しないため、無侵襲の検査が可能で、国内に医療用として5,000台以上存在し、近年は小動物を対象とした前臨床研究用として、研究機関や企業への普及も始まっている。超電導磁石を用いた高磁場装置(臨床用1~3テスラ、前臨床用4.7~11.7テスラ)と永久磁石を用いた低~中磁場装置(臨床用0.2~0.5テスラ、前臨床用0.5~2テスラ)とがある。 MRIはX線CTと並んで、癌などの病巣を見つけるための物理的診断法で、生体組織内に存在する水の分布や存在状態の違いを水素のNMR スペクトルの強度の違いとして画像化する。