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薬学用語解説

持続吸収型経口徐放システム

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

持続吸収型経口徐放システムであるOCAS®は、一回の経口投与で長時間に亘り薬効を発現させる経口徐放製剤を開発するための製剤技術の1つである。服用後に消化管を移動しながら徐々に薬物を溶出・吸収させる徐放製剤では、一般に水分の少ない消化管下部で薬物を溶出させることが難しくなるが、OCAS®は水分の多い消化管上部で錠剤の内部まで吸水し、ゲルを形成させておくことにより、水の少ない下部消化管での薬物溶出を可能とする。主薬、ゲルを形成する基剤およびゲル化を促進する基剤を基本組成とし、消化管の広い範囲において持続的な薬物溶出を可能としたハイドロゲルを形成するマトリックス型のシングルユニット錠剤として設計される。