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薬学用語解説

ハイドロキシアパタイト

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

歯や骨といった組織の主成分である水酸化リン酸カルシウムのことであり、化学式はCa10(PO4)6(OH)2で示される。骨の60%、歯のエナメル質の97%がハイドロキシアパタイトで構成されている。特徴としては、生体親和性、特に骨への親和性が高く、人工骨等のバイオマテリアル(生体材料)として利用される。このようにして作成した人工骨を、骨の欠損した箇所に埋めることで、その表面を新生骨が覆い、骨の吸収と形成を繰り返し長い時間をかけて自家骨に置換されていく。医学・歯学分野では、主にヒトの生体に移植することを目的とした人工関節、人工骨、デンタルインプラント等で活用されている。また、タンパク質とも高い吸着性を示すことが知られており、生体分子等の分離で利用されるクロマトグラフィーの充填剤としても利用されている。