薬学用語解説
イオン交換クロマトグラフィー
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
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イオン結合を利用してイオン性化合物の分離、分析を行うクロマトグラフィー。固定相にはイオン交換体とよばれる+あるいは-の電荷をもつ充填剤が用いられ、主にイオン性化合物の分離に用いられる。陽イオン性化合物の分離には、負の電荷をもつ陽イオン交換体、陰イオン性化合物の分離には、逆に正の電荷をもつ陰イオン交換体を充填したカラムを使用する。移動相には、一般に陽イオンと陰イオンとから成る塩を含む水溶液が使用され、移動相中のイオンと各物質の電荷をもつ構造とが、イオン交換体のイオン性基とのイオン結合を競合することにより分離・溶出が達成される。アミノ酸やヒドロキシ酸、さらにはタンパクなどのイオン性を有する生体成分の分析に用いられる。