薬学用語解説
ドナン効果
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月28日
物理系薬学部会
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ある種のイオン(コロイドイオンなど)を通さない半透膜を隔てた電解質溶液間に成り立つ平衡状態では、透過性のイオンも不透過性のイオンの影響を受けて膜の両側に不均衡に分布され、これにより膜の両側に電位差が生じる。この現象をドナン効果という。例えば、半透膜の一方に高分子電解質(負の固定電荷を持ち、Na+を対イオンとする)のNaCl?水溶液(液相)、他方にNaCl?水溶液(液相)があり、膜はNa+、Cl-を自由に通すが高分子電解質イオンを通さない時、電気的中性の条件から液相ではコロイドイオンと同じ符号の電荷を持つCl-の濃度が低くなる。