薬学用語解説
X線自由電子レーザー
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2023年12月27日
物理系薬学部会
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XFELは、位相のそろったX線領域の波長を持つレーザーである。XFEL光は可干渉性、極めて短いパルス幅、極めて高い輝度などの特性を有する。XFELの光を使うことによって、サブナノメートルの空間分解能とフェムト秒程度の時間分解能で物質の様子を捉えることができると考えられている。XFELは日本において国家基幹技術の1つとされ、理化学研究所播磨事業所にてSACLAの建設が進められた。2011年には初めてのレーザー発振が確認され、運用が進んでいる(http://xfel.riken.jp/index.html)。XFEL施設としては、2022年時点において、米国SLAC国立加速器研究所のLiniac Coherent Light Source(LCLS)(2009年運用開始)、LCLS-II CuRF (2019年運用開始)、LCLS-II SCRF (2020年運用開始)、SACLA (2011年運用開始)、欧州X線レーザーXFEL (European XFEL) (2016年運用開始)、スイス自由電子レーザー(SwissFEL) (2016年運用開始)、韓国浦項加速器研究所PAL-XFEL (2016年運用開始)が稼働している。