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薬学用語解説

細胞膜透過ペプチド

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
物理系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

1988年にHIV-1ウイルス由来のTransactivator of transcription(Tat)proteinが細胞膜を通過し、細胞質内に移行することが報告されて以来、同様の作用を有するペプチドが複数見いだされ、細胞膜透過ペプチド(CPPs)と総称されている。CPPsはタンパク質など目的物質に結合させることにより、それらを効率的に細胞内に移行させることが可能で、現在では細胞内送達ベクターあるいは吸収促進ツールとしても汎用されている。代表的なCPPsとしてアルギニンなどのカチオン性のアミノ酸に富むペプチドやカチオン性および疎水性アミノ酸を含む両親媒性のペプチドが知られている。