薬学用語解説
グリア
ぐりあ
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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中枢神経系を構成する非神経系の支持細胞の総称。神経の支持、栄養、代謝など様々な働きを有している、アストロサイト(星状膠細胞)、オリゴデンドロサイト(希突起膠細胞)、上衣細胞、ミクログリア(小膠細胞)より構成される。アストロサイト:比較的大型で、多くの細い突起を細胞体から放射状に出し、星状を呈する。この突起の中には細胞骨格の中間径フィラメントであるグリア線維性酸性タンパク質が存在している。血液脳関門の形成やシナプス機能の調節など、脳機能の発現のために重要な役割を果たしている。 オリゴデンドロサイト:細胞体は小さく卵円形で、核はまるく細胞質が少ない細胞。中枢神経系においてオリゴデンドロサイトは隣接する神経の軸索数本を包み込み、ミエリン(髄鞘)を形成。このミエリンにより軸索が絶縁され、軸索の電気的容量が減少し、神経の伝導速度は増加する。ミクログリア:アストロサイトなどよりも小型で、中枢神経系内を動き回る。中枢神経系内で異物の除去、貪食などマクロファージ様の働きを持つ。ほかにも、中枢神経系の機能調節など役割は多岐にわたる。