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薬学用語解説

能動輸送

作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会

担体輸送のうち、濃度勾配に逆らって輸送される場合を能動輸送という。ATPの代謝エネルギーを直接的に用いる一次性能動輸送と、一次性能動輸送により生じるイオンの電気化学ポテンシャル勾配を利用する二次性能動輸送がある。いずれもエネルギー代謝を阻害する薬物や、低温で輸送は阻害される。輸送担体(トランスポーター)の数には限りがあるため、薬物濃度と輸送速度の関係にはMichaelis-Menten型の飽和が見られる。また、構造が類似した物質の共存により、輸送は競合的に阻害される。 代表的な例として、一次性能動輸送として、Na+/K+ポンプや薬物排泄ポンプとして知られているP-糖タンパク、二次性能動輸送としてNa+/グルコース共輸送体やH+/オリゴペプチド共輸送体などがある。