薬学用語解説
ミトコンドリア
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
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真核生物の細胞内に見出される短径0.3~0.8μm、長径0.5~3.0μm位の細胞小器官。その構造は全体を包む外膜と内膜からなる。内膜にはところどころにクリステと呼ばれる内側に陥入したチューブ状構造や層状構造が存在し、クリステの内腔側の膜上には基本粒子が認められる。内膜と基本粒子において、電子伝達系および酸化的リン酸化関連酵素が機能する。内膜の内腔はマトリクスと呼ばれ、クエン酸回路の諸酵素および脂肪酸のβ酸化にかかわる酵素が機能する。ミトコンドリアはエネルギー産生機構の集約されたオルガネラである。また、独自のDNAやリボソームなどの複製、転写、翻訳系を持ち半独立の増殖系を備えている。