薬学用語解説
真菌
作成日: 2023年07月22日
更新日: 2024年03月01日
生物系薬学部会
© 公益社団法人日本薬学会
真核生物(eukaryotes)に属する分化した細胞小器官と典型的な核をもつ大型の細胞であり、原核生物(prokaryotes)の細菌とは種々の点で異なる。特有の栄養型(菌糸)発育を行い、特殊な細胞壁多糖および細胞膜ステロールをもつ。多くの菌種は、無性生殖のほかに有性生殖を営む。繁殖はさまざまなタイプの無性胞子によりなされている。明瞭な二重膜(核膜)により細胞質からほぼ完全に仕切られた核が存在する。核内にはDNAと塩基性タンパク質(ヒストン)との複合体からなる複数本の染色体が存在し、微小管系の関与のもとに有糸分裂を行う。細胞質内にはミトコンドリア、小胞体、液胞、ゴルジ体、80Sリボソームなどの細胞小器官が存在する。かび、酵母、きのこは真菌の一種である。